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明大が優勝旗を返還。「継勝」のスローガンで燃やすリーグ戦への闘志

 

昨年6月の全日本大学選手権を制した明大は8月4日、神宮球場で優勝旗らを返還し、レプリカを授与している(左から副将・入江大生、主将・公家響、副将・市岡奏馬


 球場に足を踏み入れると、野球人の血が騒ぐ。

 昨年6月、第68回全日本大学野球選手権で38年ぶりの日本一を飾った明大。今春の東京六大学リーグ戦を制して、チーム全員で優勝旗を返還するはずだったが、第69回全日本大学野球選手権大会は中止となった。

 8月4日、優勝旗ほかの返還式(神宮球場)が行われた。

 本来は準優勝の佛教大(京滋大学野球連盟代表)も出席予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、同大学から「移動自粛」の要請が出たため、出席を取りやめている。

 明大・公家響主将(4年・横浜)は昨年の主将・森下暢仁(現広島)が手にした重みのある優勝旗を返還し、レプリカを授与した。

「新型コロナウイルスの影響で期間が空きましたが、実際に神宮に立ち、昨年春のリーグ戦と、全日本での戦いぶりを思い出すことができました。8月10日には春のリーグ戦が始まる。気持ちが高ぶってきました」

 東京六大学春季リーグ戦は当初は4月11日の開幕を予定していたが、5月下旬、さらなる再延期により、8月10日に開幕する。全国にある26大学連盟で「春のリーグ戦」を開催するのは同連盟のみ。従来の2戦先勝の勝ち点制ではなく、1試合総当たり(計5試合)で計8日間の短期決戦で行われる。また、有観客試合とするが、収容人数上限3000人と、感染予防対策を徹底した中で開催される。

「リーグ戦形式が変則となっても、1点に対する気持ちは変わらない。チームとして、いかに勢いに乗ることが大事になる」(公家)

 副将の市岡奏馬(4年・龍谷大平安)は「(大会の)2連覇にかけてきた思いはありますが、こうして再び、野球ができることに感謝したいです。リーグ戦で、明治の強さを証明したい」と力を込めた。

 同じく副将で150キロ右腕の入江大生(4年・作新学院)は、昨秋以来の神宮に興奮を隠し切れない様子。返還式が終わると、すぐさまマウンドへ向かい、プレートの状況を確かめていたのが印象的なシーンだった。

「神宮に入って、ここで野球をしたいと思った。総当たりの5試合。全身全霊を込めて、しっかり戦いたいです」

 明大のスローガンは「継勝」。勝利への執念を継ぐ、という意味が込められている。

 異例となる夏開催の春季リーグ戦。ようやく神宮の杜に、大学野球が戻ってくる。

文=岡本朋祐 写真=山口高明
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