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意外な名前も 鈴木誠也、菊池涼介、石川柊太…東京都出身で活躍する選手たち

 

 プロ野球の共通語は「関西弁」と呼ばれている。ダルビッシュ有前田健太坂本勇人筒香嘉智山田哲人中村剛也森友哉浅村栄斗と各球団の主力で活躍する選手は関西出身が多い。では関東、東京都出身のプロ野球選手はどうだろうか。選手の数は関西に負けるかもしれないが、球界を代表する「レジェンド」を何人も輩出していることに気づく。全盛期に関東の球団に所属している選手が少ないのも特徴かもしれない。
※通算成績は昨季までの数字


・鈴木誠也(広島)
※東京都荒川区出身
NPB通算652試合出場 打率.317、119本塁打、399打点、67盗塁

 侍ジャパンの四番を張る鯉の若き主砲。小学2年時に荒川リトルで野球を始め、二松学舎高で1年秋からエースに。3年間で甲子園出場はならなかったが、150キロ近い剛速球と高校通算43本塁打で投打に活躍した。広島に2013年ドラフト2位で内野手として入団。15年から外野に専念すると、16年から4年連続打率3割をマーク。18年は打率.320、30本塁打、昨年は打率.335、28本塁打で首位打者を獲得した。外野の強肩にも定評がありゴールデン・グラブ賞を3度受賞している。

広島・菊池涼介


・菊池涼介(広島)
※東京都東大和市出身
NPB通算1047試合出場 打率.270、85本塁打、379打点、107盗塁

 内野守備の常識を変えたとされる広い守備範囲とアクロバティックなプレーが持ち味の名二塁手。海外のメディアから「魔法使い」と称された。2013年からゴールデン・グラブ賞を7年連続受賞している。中学時代まで東大和市で過ごし、長野県の武蔵工大二高へ進学。甲子園出場はならず、中京学院大学へ。2012年ドラフト2位で広島に入団すると、得意の守備に加え、俊足巧打と小技を絡めた打撃スタイルでレギュラーに定着。16年には打率.315、181安打で最多安打のタイトルを獲得している。


・石川柊太(ソフトバンク)
※東京都品川区出身
NPB通算78試合登板 21勝9敗、8ホールド、防御率3.42

 最速156キロの直球、魔球と称されるパワーカーブが武器の本格派右腕。品川区立立会小2年時に野球を始め、都立総合工科高では3年春夏で共にベスト8。創価大に進学後、4年秋に4勝無敗とリーグ優勝に貢献して評価を上げた。2014年育成ドラフト1位でソフトバンクに入団。16年7月に支配下登録され、17年に先発、救援にフル回転で8勝をマーク。18年も同様の起用法で13勝6ホールドと大活躍だった。昨年は右ヒジ痛に長期離脱した影響で2試合登板のみ。今季は千賀滉大と並ぶ先発ローテーションの軸としてタイトルも狙える。


・山崎康晃(DeNA)
※東京都荒川区出身
NPB通算303試合登板 13勝17敗163セーブ、防御率2.34

 直球と落差の鋭いツーシームを武器に打者を圧倒する。帝京高で2年夏、3年春に甲子園出場したが、背番号「1」をつけた3年夏は5回戦の国士舘高戦で打ち込まれてコールド負け。プロ志望届を出したが指名漏れとなった。亜大に進学後は力強さ、安定感が増して2014年ドラフトで阪神とDeNAが1位指名で競合。DeNAが抽選で交渉権を引き当てた。新人の15年に新人最多記録の37セーブを挙げ、18、19年は2年連続最多セーブを獲得。今季は不調でシーズン途中からセットアッパーに回っているが復活が期待される。


・秋吉亮(ヤクルト、日本ハム)
※東京都足立区出身
NPB通算336試合登板 19勝22敗59セーブ74ホールド、防御率2.72

 プロ6年間で336試合救援登板の「鉄腕」は中学まで野手だった。都立足立新田高で投手に転向し、2年の秋季大会で強豪の早実打線を中盤まで無安打に抑える快投。3年夏は同校史上初のベスト4に進出して名を上げた。中央学院大、社会人・パナソニックを経て2014年ドラフト3位でヤクルトに入団。2年目の15年に球団記録の74試合登板で22ホールドを記録し、リーグ優勝に貢献。16年もリーグ最多の70試合登板で3勝19セーブ10ホールドをマークした。18年オフにトレードで日本ハムへ。不動の守護神として活躍している。


・岩隈久志(近鉄、オリックス楽天、マリナーズ、巨人)
※東京都東大和市出身
NPB通算226試合登板 107勝69敗、防御率3.25
MLB通算150試合登板 63勝39敗2セーブ、防御率3.42

 近鉄、楽天のエースとして活躍しているイメージが強い岩隈も東京出身だ。堀越高で甲子園出場ならなかったが、2000年ドラフト5位で近鉄に入団。03年から2年連続15勝をマークして球界を代表する右腕に。楽天では08年にシーズン65勝のうち約3分の1の21勝をマーク。最多勝、最優秀防御率、最高勝率、沢村賞とタイトルを獲得し、Bクラスの球団から1988年の門田博光以来20年ぶりの最優秀選手に選ばれた。抜群の制球力でメジャーでも3度の2ケタ勝利をマークするなど先発で活躍。巨人でケガからの復活を目指す。


・松坂大輔(西武、レッドソックス、メッツ、ソフトバンク、中日、西武)
※東京都江東区出身
NPB通算218試合登板 114勝65敗1セーブ、防御率3.04
MLB通算158試合登板 56勝43敗1セーブ3ホールド、防御率4.45

 中学時代は東京都江戸川区の強豪チーム「江戸川南リトルシニア」に所属。横浜高では高校No.1右腕で3年春夏に連覇を飾り、「平成の怪物」の異名で社会現象になるほど注目を集めた。西武に入団した1999年から3年連続最多勝など8年間で108勝をマーク。レッドソックスでも2007年に15勝、08年に18勝と先発の柱として活躍した。WBCでも史上初の2大会連続最優秀選手を獲得。30代以降は故障に苦しみ、昨オフに古巣の西武に14年ぶりに復帰。7月に脊椎内視鏡頸椎手術を受けたことを発表。万全の状態で一軍復帰が待たれる。


・鳥谷敬(阪神、ロッテ)
※東京都東村山市出身
NPB通算2169試合出場 打率.280、138本塁打、822打点、131盗塁

 NPB歴代2位の公式戦1939試合連続出場と阪神の「象徴」として16年間活躍した鳥谷も東京で生まれ育った。高校は埼玉・聖望学園高に進学して3年夏に遊撃手兼投手で同校初の甲子園出場に導いた。早大で同期の青木宣親(ヤクルト)とともにリーグ戦4連覇に貢献。2004年に自由獲得枠で阪神に入団し、2年目から13年連続全試合出場と攻守の中心として活躍した。若返りを図るチーム構想から外れ、昨オフに退団。今年3月にロッテ入団が決まり、内野ならどこでも守れる貴重なユーテリティープレーヤーとしてチームを支える。

写真=BBM
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