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2020甲子園交流試合

名勝負の予感漂う星稜対履正社。先輩・奥川恭伸も「後悔のないように戦ってください」/2020甲子園交流試合リポートVol.10

 

新型コロナウイルス感染拡大のため中止となった今年3月のセンバツ出場32校の「救済措置」として甲子園で開催される「2020年甲子園高校野球交流試合」。今夏は地方大会と全国(甲子園)も中止となった。特別な思いを胸に秘めて、あこがれの舞台に立つ球児や関係者たちの姿を追う。

昨夏の甲子園決勝の再現


昨夏、星稜高のエースとしてけん引したヤクルト奥川恭伸は履正社高との決勝で惜しくも全国制覇を逃した。試合後、三塁側アルプス席への挨拶を終えると、星稜高・林和成監督から労いの言葉をかけられる


 2019年8月22日。24年ぶりに夏の甲子園決勝に進出した星稜高は履正社高に惜敗(3対5)し、惜しくも全国制覇を逃した。

 星稜高は小学校時代からバッテリーを組んだ奥川恭伸(現ヤクルト)と主将・山瀬慎之助(現巨人)を軸に、チームのモットーである「必笑」を貫き、全国に爽やかなイメージを残した。

 あれから1年。後輩たちは頼もしかった。昨秋の北信越大会を制し、今春のセンバツで甲子園に5季連続(春は3年連続)での出場を決めていた。だが、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、大会は中止。同大会出場32校は「救済措置」として今回、2020年甲子園高校野球交流試合に招待された。各校1試合。星稜高は7月8日のオンラインによる組み合わせ抽選会で履正社高との対戦が決まった。1年夏から昨夏まで3季連続で甲子園の土を踏んでいる主将・内山壮真はチームの総意として「リベンジしたい」と固い決意を語る。8月15日の第1試合(10時試合開始予定)。3年生は高校最後の試合で、最高の相手と対戦する。

 先輩・奥川は後輩たちの思いをくんで、球団を通じてコメントを発表している。

「今年は新型コロナウイルスの影響により大会も中止となり、大変つらい思いをされたと思います。しかし、交流試合が開催されるということで、甲子園で試合ができるということに感謝して、思う存分楽しんでもらいたいと思います。3年生は特につらかったと思いますが、すべてをここにぶつけて、後悔のないように戦ってください。応援しています」

 勝っても、負けても1試合。明日なき戦いだからこそ、球児たちはすべてを出し切り、完全燃焼する。今回の交流試合は集大成の思いが激突するため、接戦の連続である。意地と意地をかけた両校も、名勝負が期待される。

文=岡本朋祐 写真=早浪章弘
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