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週べ60周年記念

日米球界の交流小話/週べ回顧1971年編

 

 一昨年、創刊60周年を迎えた『週刊ベースボール』。現在、(平日だけ)1日に1冊ずつバックナンバーを紹介する連載を進行中。いつまで続くかは担当者の健康と気力、さらには読者の皆さんの反応次第。できれば末永くお付き合いいただきたい。

サクラメント・パイレーツは実現するか


日米野球で来日したオリオールズのパウエルと巨人王貞治


 今回は『1971年12月13日号』。定価は90円。

 ニクソン・ショックの影響もあるのか、日米球界の交流が活発化してきた。
 小ネタを2つ書いていこう。

 米マイナーのローダイ・パイレーツをロッテの中村長芳オーナーが買収した話は以前紹介した。
 中村オーナーは、買収後、人口の3万人のローダイではなく、人口40万人、日系人も多いサクラメントに本拠地を移転させる、と話していたが、たぶん、無理との声が挙がっていた。
 米球界が、日本企業が勝手にフランチャイズを変更することを認めるはずがない、というのだ。

 前年、ローダイ・パイレーツは地元で70試合を行い、観客は1万8285人、1試合平均261人。移転が成功しなければ、ただ赤字を増やすだけになる。
 SFジャイアンツの極東スカウト兼、サクラメント地区担当スカウトのキャピー原田が勧めた話らしいが、果たしてサクラメント・パイレーツは実現するか。

 日米野球のため来日していたオリオールズからウインター・リーグ(カリフォルニア・リーグ)に誘われた広島は、根本陸夫監督以下、24、5人の大舞台を渡米させると意気込んでいた。経費は1500万ほどかかるらしいが、「将来を考えれば大したことではない。これが本当の投資」と鼻息も荒い。
 しかし、持ち掛けた側のオリオールズのホフバーガー・オーナーが突然、話を覆してしまった。

 この不可解な事件の真相ははっきりしないが、ホフバーガー・オーナーの興味が親会社・東洋工業の「ロータリー・エンジン」にあったという説もある。フォード社の重役も兼ねていたオーナーが、この技術提携実現のため、誘いをかけたのだという。
 しかし、その話がうまくいかず、誘いもやめた、ということらしい。
 勝手な話だ。

 では、またあした。

<次回に続く>

写真=BBM
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