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明るさ全開! オリックスは中嶋監督代行で巻き返しなるか

 

開幕から53試合で借金17。5位・西武に3連敗を喫して首位と12ゲーム差に。その8月20日の試合終了後、西村徳文監督の辞任が発表された。二軍監督の中嶋聡氏が監督代行となったオリックスは息を吹き返すことができるのか。

初陣となった8月21日の西武戦(京セラドーム)を勝利で飾り、ウイニングボールを手にファンの声援に応える中嶋聡監督代行。明るさを前面にベンチの雰囲気が一変した


 自力での優勝が消滅する寸前での決断だった。8月20日の西武戦(京セラドーム)に敗れ、借金は今季最多の17(16勝33敗4分)。試合終了後、福良淳一GMが会見を開き、西村徳文監督に辞任を要請して承諾されたことを発表。中嶋聡二軍監督を監督代行に据えるなど、コーチ陣の配置転換を敢行した。

 新指揮官の決意はシンプルだった。「やれることは、まだまだある。残り67試合、全力でやるだけです」。ただ、浮上は容易なことではない。それは中嶋監督代行も承知のうえ。「借金の数を見たら簡単に上(位進出)の話はできない」。それでも「目指さないと何も始まらない。やるしかない」と力強く付け加え「ミスを恐れるな」と呼びかけたナインと1つの約束を交わした。それが“全力疾走”だ。

「外国人の2人(ジョーンズロドリゲス)もやってくれますし、皆やってくれている」(中嶋監督代行)

 凡事徹底で暗い雰囲気を吹き飛ばす――。自らも明るさを前面にナインを鼓舞。初陣となった21日の西武戦は3対1で勝利を飾り、手にしたウイニングボールの行方を「お父さんに……んなわけないやろ!」とおどけるキャラクターをベンチでも前面に、笑顔でナインとコミュニケーションを図る。得点を挙げれば二軍から昇格した辻竜太郎打撃コーチと一緒に全身で喜びを爆発させるなど、明るい雰囲気を生み出し続けた。

 自らの目も疑わない。「俺は無敵の中川(圭太)を見てきた」と、ファームで打率.317の中川を21日から四番起用。同打率.370の杉本裕太郎には「一緒に(一軍に)行くぞ!」と昇格即スタメン、投手でも富山凌雅漆原大晟を23日に呼び寄せ、勝ちパターンで登板と起用面でも新たな風を吹かせて21日から3連勝スタートを飾った。

 中嶋新体制で反攻なるのか。“最初の答え”は次節だ。8月25日からソフトバンク(PayPayドーム)、同28日からはロッテ(京セラドーム)との3連戦と、今季大きく負け越している2球団が相手(対2球団の借金は計17)。“明るさ”だけで勝てるほど甘くはない。それでも新指揮官は言う。

「楽しいものなので、野球というものは。今年は(新型コロナウイルスの影響で)非常に長いこと開幕を待って(野球が)やれたとき、感動した。そのうれしさを(グラウンドで)出してほしい」

 貪欲に、ひたむきに――。最後まで“戦う姿勢”を崩すことはない。

写真=BBM
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