プロ野球の歴史の中から、日付にこだわってその日に何があったのか紹介していく。今回は1993年8月27日だ。
この日、行われた
オリックス戦(GS神戸)の6回、近鉄先発の野茂英雄は先頭の
高橋智を2ボール2ストライクから空振り三振に仕留め、通算1000奪三振を記録した。プロ野球史上90人目の快挙。並の投手なら8年から10年かけてやっと手が届く大記録に、4年目のシーズン半ばで到達した。それも、940イニングを要した
江夏豊(
阪神)の記録を抜く、871イニングでの達成は当時のスピード記録だった。
「僕は記録はあくまで通過点だと解釈しています」とクールに語った野茂。だが、周囲は試合後も興奮冷めやらぬ状態。「ホント、すごい記録だと思うよな。あらためて野茂の偉大さを痛感したよ」と、ジッと野茂の投球をベンチから見守っていた
佐藤道郎投手コーチも驚きを隠せなかった。
野茂はこの試合、6回で退くまで10三振を奪って、開幕以来ちょうど200奪三振となった。入団以来、4年連続200奪三振は
梶本隆夫(阪急)、
秋山登(大洋)、江夏に次いで4人目の記録だった。
写真=BBM