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クルーン、郭源治、宣銅烈…抑えで活躍した外国人に中日・マルティネスは並ぶか?

 

 今季、中日の抑えを任されているのがライデル・マルティネスだ。2017年に育成で加入したマルティネスは、翌2018年に支配下登録され、2019年には中継ぎで活躍した。今シーズンは抑えを中心に起用され、9月3日現在、リーグ2位の9セーブを記録。防御率0.82と驚異的な数字を残している。今回は、こうした「抑えで活躍した先輩外国人投手」をピックアップしてみた。

数々の大打者と名勝負を繰り広げた外国人クローザー



●当時のNPB最速記録を次々に更新 
マーク・クルーン(巨人ほか)

 助っ人クローザーといえば、マーク・クルーンを覚えている人が多いだろう。2005年に横浜に加入したクルーンは、シーズン途中から佐々木和主浩に代わって抑えに起用され、いきなり26セーブと活躍し、当時NPB最速の159キロを記録したことでも注目された。この活躍で抑えに定着したクルーンは、翌2006年は27セーブ、2007年は31セーブと好投。同年オフに移籍した巨人では、1年目の2008年に最多セーブのタイトルを獲得している。NPB通算177セーブは歴代9位で、外国人選手ではデニス・サファテに次ぐ数字となっている。

中日・郭源治


星野仙一を初のリーグ優勝に導く
郭源治(中日)

 マルティネスと同じ中日で活躍した外国人抑え投手では、郭源治も忘れてはならない存在だ。1981年に入団した郭源治は、1983年から1986年まで4年連続2ケタ勝利を記録するなど先発で活躍。しかし、1987年に当時の星野仙一監督から抑えに指名されると、その年は26セーブ、翌1988年は37セーブを挙げ、2年連続で「最優秀救援投手」のタイトルに輝いた。1989年も抑えとして25セーブを記録。その後は先発、中継ぎ、抑えと複数のポジションで起用され、好投を見せた。
※郭源治は1989年に日本に帰化

中日・宣銅烈


●強烈なスライダーで打者を翻弄
宣銅烈(中日)

 中日の外国人抑えでは、1996年に加入した宣銅烈もインパクトのある投球を見せた。当時、韓国球界最高の投手と称されていた宣銅烈だったが、日本での1年目は38試合に登板して5勝1敗3セーブと厳しい結果に終わる。しかし、翌1997年になると持ち前のダイナミックな投球がよみがえり、強烈な変化を見せるスライダーを武器に38セーブを記録。最多セーブのタイトルを受賞した。以降は不動の抑えに定着し、1999年にはリーグ優勝にも貢献。わずか4年の在籍だったが、鮮烈な印象を残した選手だった。


●外国人投手初の「加入年での最優秀救援投手」のタイトル受賞
エディ・ギャラード(中日ほか)

 宣銅烈がチームを去った後、中日の抑えを務めたのがエディ・ギャラードだ。2000年シーズンの開幕直後に入団したギャラードは、150キロを超えるストレートを武器にリーグ最多となる35セーブを記録。最優秀救援投手のタイトルを獲得した。加入1年目の外国人投手が同タイトルに輝いたのはNPB初だった。その後、ギャラードは守護神として活躍。2002年は自身2度目の最優秀救援投手も受賞した。しかし、2003年に負傷して二軍に落ちたことをきっかけにチーム首脳陣と対立し、シーズン途中で横浜に移籍。横浜には2シーズン在籍したが、右ヒジの故障もあり満足にプレーできずに終わっている。

ダイエー・ペドラザ


●在籍4年で2度も胴上げ投手に
ロドニー・ペドラザ(ダイエーほか)

 1999年から2002年までダイエーに在籍したロドニー・ペドラザは、短い在籍期間ながら目覚ましい活躍を見せた選手だ。加入1年目の1999年、シーズン途中から抑えに指名されたペドラザは、いきなり27セーブと期待に応え、リーグ優勝と日本一に貢献。不動の守護神として迎えた2000年は、リーグ最多の35セーブでタイトルを獲得した。チームは2年連続でリーグ優勝を果たし、ペドラザも2年連続で胴上げ投手となっている。2001年もその勢いは衰えず、34セーブで2度目の最優秀救援投手のタイトルを受賞。ところが、2002年は21セーブを記録するもチームを退団。その後は巨人に加入するが、ダイエー時代のような投球ができずに1年で現役を引退した。

中日・R.マルティネス


 セーブ数歴代上位の外国人クローザーを見ると、中日で活躍した選手が目立つ。今季注目のライデル・マルティネスにも、宣銅烈やギャラードなど、今回紹介した中日の先人に並ぶ活躍を期待したいところだ。

文=中田ボンベ@dcp 写真=BBM
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