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CAR3219フィールドで躍動する若獅子

西武・松井稼頭央二軍監督 ファーム前半戦総括、若獅子たちへの大きな期待/CAR3219フィールドで躍動する若獅子たちVol.8

 

一軍で若手3選手がプロ初安打


西武・松井二軍監督(球団提供)


 選手たちの成長をCAR3219フィールドのベンチから目を細めて見つめる松井稼頭央二軍監督。就任1年目の昨季は「1人でも多くの選手を一軍に送り出したい」と抱負を語っていたが、今季は3人の若獅子たちが一軍で初ヒットを放つなど、松井二軍監督にとってうれしい出来事が続くシーズンでもある。ファーム公式戦の日程は折り返しとなり、現在7位(9月7日時点)。8月は少々負けが込んでしまったが、選手たちの“必死さ”が松井二軍監督をワクワクさせる。

「コロナにより今年は開幕が遅れたので、前半戦が終わったという感覚がまだないですけど、でも春のキャンプからやってきて、その後は自粛期間もあった。そんななか、選手はここまでよくやってくれています。練習が再開してからは振る量を増やしたりして、やれることはやってきたかなと思います」

 その言葉どおり、ファームで好調だった高木渉が8月13日の楽天戦でプロ入り初安打。さらには8月16日の同カードで、柘植世那西川愛也にもそれぞれプロ入り初安打が生まれるなど、CAR3219フィールドで躍動してきた若獅子たちが、見事メットライフドームで「Hランプ」を灯した。若獅子たちがファームでやってきたことの成果を出すべきところでしっかり出した瞬間だった。

一軍でプロ初安打を放った西川(写真=BBM)


 中でも西川は初めての一軍昇格だった。「初めての一軍の雰囲気、緊張感のなかで、(西川は)非常にいい経験ができましたし、1本(ヒットが)出せたことは今まで本人がやってきた成果。ファームでも結果を出してきたので、その結果が一軍登録だったと思う」と松井二軍監督は評価。そして、一軍の舞台に立った西川の打撃を見て安心した。プロ入り初打席の結果はレフトへの大きなフライだったが、初球から振りにいった姿を評価。「いいスイングだった」とうなずいた。続く2打席目、左中間を破る適時二塁打を放ったが「彼らしいヒットになったね。上出来ですよ。一軍初昇格の2打席目であの結果を出すのは、なかなかできないでしょう」と松井二軍監督は手放しに喜んだ。

 西川は9月2日には登録抹消。CAR3219フィールドで再び一軍を目指すことになったが「もっと自分に厳しく、次に上がったときにはスタメンで使ってもらえるように」と伝えたという。

 8月29日のヤクルト戦(CAR3219フィールド)では育成選手の中熊大智が“公式戦初本塁打”を放ったのもうれしい出来事の1つ。「これもうれしかった」と喜んだ松井二軍監督は試合後、自ら中熊にそのホームランボールを渡す粋な計らいを見せた。

「日々の積み重ねが大事」


 公式戦が折り返しということで、松井二軍監督の下に、これまで報道された“ファームトピックス”の数々が並べられたが、「川野(川野涼多)もいい選手。高木渉は気持ちの持ち方が変わったよね……みんな本当に成長した」。報道された内容に目を通しながら、松井二軍監督は若手の成長に笑みを浮かべた。

 後半戦、若獅子たちはどのような飛躍を見せてくれるのだろうか。

「後半戦に向けて1試合1試合しっかりと戦っていきます。いま苦しくても、そのなかでどうやって戦っていくのか、どう選手が成長していけるか。チームとしても成長しなければいけないというのもあります。残り2カ月も、きっとあっという間なので1試合、1打席を大事にやってもらいたい」と選手に期待を込めた。

 日ごろから「日々の積み重ねが大事」だと力説する松井二軍監督。練習で積み重ねたものをどれだけ試合で出せるかが勝負の世界だ。厳しい戦いの中で、自らの技術を向上させ、また一人、自らの元を巣立っていく選手が増えると信じながら、松井は今日もタクトを振るう。

西武ライオンズ
週刊ベースボール編集部

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