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ヤクルト・石戸四六、ついに引退/週べ回顧1972年編

 

 一昨年、創刊60周年を迎えた『週刊ベースボール』。現在、(平日だけ)1日に1冊ずつバックナンバーを紹介する連載を進行中。いつまで続くかは担当者の健康と気力、さらには読者の皆さんの反応次第。できれば末永くお付き合いいただきたい。

ヤクルトの乱数表は継続


表紙は巨人王貞治


 今回は『1972年1月17日号』。定価は100円。
 
 三原脩監督率いるヤクルトアトムズ。前年不評だったのが、乱数表だ。
 サイン盗みを避けるため、捕手のサインが出た後、投手がグラブに貼り付けた乱数表を見て、それを確認するもの。三原監督が近鉄時代に始めたものだが、とにかく時間がかかる。
 12球団では試合のスピードアップの申し合わせをしており、ヤクルトに自粛を求める声もあったが、三原監督は秋季キャンプで、投手たちに乱数表を「使う練習」を密かにさせ、
「今年は乱数表を使っていても、使わないときと同じです。敵に使っていると思わせ、シグナルサインだけですませる場合もありますから、絶対に速くなります」
 と自信たっぷりに語った。

 ちなみにヤクルトでは、酒仙投手と言われた石戸四六1月9日の保留期限切れを待って、任意引退になることが決まった。
 石戸は前年2月、大酒のみがたたって慢性胃炎兼肝障害でダウン。故郷秋田で闘病となった。
 球団は保留選手扱いで回復を待ったが、6月に一度顔を出しただけで、その後は連絡なし、というか連絡しても返事なし。
 とうとう復帰する意思がない、と判断し、この処置に踏み切った。
 石戸は入団の際、酔っぱらって契約金で東京から秋田までタクシーで帰ったり、夜、ランニング姿で飲みに出かけ、朝のランニングにそのまま参加したりと、逸話がたくさんある。

 では、またあした。

<次回に続く>

写真=BBM
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