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藤川球児が現役引退 「松坂世代」で奮闘する現役の選手たちは?

 

6月27日のDeNA戦で今季初セーブを挙げて笑顔を浮かべた阪神・藤川


 阪神・藤川球児が今月1日に現役引退を表明した。「名球会の入会条件」である日米通算250セーブにあと「7」で迎えた今季は守護神として期待されたが、11試合登板で1勝3敗2セーブ、防御率7.20。8月13日に右上肢のコンディション不良で登録抹消されていた。

 藤川はファームで調整していた昨年4月にも球団に現役引退の意向を申し入れていたという。このときは戦力として不可欠だったため球団フロントに慰留されると、シーズン途中に守護神に返り咲き、56回登板で4勝1敗16セーブ23ホールド、防御率1.77をマーク。現在の右ヒジは手術が必要な状態だという。満身創痍の肉体で毎年ハイレベルな成績を残し続けた勇姿は、ファンの脳裏に深く刻まれるだろう。

 球界の中心軸として多くの名選手を輩出してきた80年「松坂世代」だが、藤川が今季限りで引退表明し、楽天で一軍打撃コーチを兼任する渡辺直人も9月12日にユニフォームを脱ぐことを発表した。そのほか今季プレーするのは3人だ。松坂大輔和田毅久保裕也……この世代で最後まで第一線でプレーする選手は誰になるだろうか。
※通算成績は昨年までの数字

14年ぶりに西武に復帰した今季、松坂は果たして一軍マウンドに上がることができるか


・松坂大輔(西武)
※NPB通算218試合登板 114勝65敗1セーブ、防御率3.04
※MLB通算158試合登板  56勝43敗1セーブ3ホールド、防御率4.45

 横浜高でエースとし3年春夏の甲子園で全国制覇を達成。3球団競合末、1999年ドラフト1位で西武に入団すると、3年連続最多勝など8年間で108勝を積み上げ、レッドソックスでも2007年に15勝、08年に18勝と28歳の時点で日米通算141勝をマークした。30代は右肩、右ヒジの故障に苦しみ、日本球界復帰した15年からのソフトバンク在籍3年間で未勝利。中日に移籍初年度の18年に6勝をマークしてカムバック賞を獲得したが、昨年は右肩の故障が響いて未勝利に終わった。古巣・西武に14年ぶりに復帰した今年は7月上旬に右手のしびれを取るため、内視鏡による頸椎周辺の内視鏡手術を受けた。日米通算170勝。「平成の怪物」がマウンドで躍動する姿をもう一度見たい。

9月9日の楽天戦で4年ぶりの5勝目をマークした和田。老獪な投球は健在だ


・和田毅(ソフトバンク)
※NPB通算254試合登板 130勝70敗、防御率3.13
※MLB通算21試合登板  5勝5敗、防御率3.36

 島根・浜田高で甲子園に2度出場。早大に進学してフォームを改良したことで大きく進化した。120キロ台の直球は140キロ台にアップし、左腕の出どころが見にくいフォームから東京六大学通算新記録の476奪三振を記録した。2003年にダイエー(現ソフトバンク)に自由獲得枠で入団すると、1年目に14勝で新人王を獲得するなど、同年から5年連続2ケタ勝利をマーク。10年には17勝で最多勝を獲得した。メジャーでは左肩痛などで目立った活躍ができなかったが、ソフトバンクに復帰した16年に15勝を挙げて2度目の最多勝。チーム最年長左腕は今季も先発ローテーションの一角を担い、左腕を振り続けている。

今季はここまで5試合に登板して防御率13.50の久保。もう一花咲かせたい


・久保裕也(楽天)
※NPB通算501試合登板 53勝37敗37セーブ112ホールド、防御率3.42

 福岡・沖学園高から東海大に進学すると、抜群の制球力と精度の高い多彩な変化球でドラフトの目玉に。2003年に巨人に自由獲得枠で入団すると、新人から先発、救援でフル回転。10年にリーグ最多の79試合登板で8勝1敗1セーブ32ホールド、11年も67試合登板で4勝2敗20セーブ21ホールド、防御率1.17とタフネスぶりを発揮した。15年限りで巨人を退団し、DeNAを経て17年から楽天に加入。勝負どころの救援登板でチームの窮地を幾度も救ってきた。「(松坂世代で)何とか最後の1人まで頑張りたい」と話していたが、その夢を叶えられるか。

写真=BBM
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