福岡ソフトバンクホークス
ここ数年、なかなか固定できず、チームの穴にもなっているポジション。今季も開幕当初から
牧原大成、
三森大貴、相手先発が左腕のときは
川島慶三と、ほぼ日替わり起用が続いていた。7月15日には牧原が右肩周辺の張りのため出場選手登録を抹消。このタイミングで少しずつ起用を増やし、将来的にも期待がかかるのが、周東佑京だ。内野手登録ながら昨季は守備では外野がメーン。今季は二塁のレギュラーを目指して自主トレでは
今宮健太に弟子入りするなどオフシーズンから精力的に守備力アップに努めてはいたが、技術的にはまだまだ。それでも起用され続けることで、確かな成長を見せている。9月11日の
西武戦(PayPayドーム)では2失策を犯し、ベンチで涙をこらえることのできなかった周東。悔しさをバネに、より一層レギュラー獲りへ闘志を燃やす。
埼玉西武ライオンズ
今季も主に西武の二塁を守るのは外崎修汰だ。ここまで78試合中、72試合で二塁としてスタメン出場。チーム事情によって、時に外野でスタメン出場しているが、そのときは
呉念庭、
山野辺翔、
水口大地が二塁手としてラインナップに名を連ねている。外崎は二塁手としては失策3で守備率は.992を誇る。守備範囲が広く、身体能力を生かした
バディーバランスの良さで無理な態勢の捕球からでも安定した送球でアウトを稼ぐ。遊撃手・
源田壮亮とのコンビネーションも抜群で9月21日現在、併殺参加は42とパ・リーグの二塁手ではトップに立っている。
千葉ロッテマリーンズ
不動の二塁手としてチームを支えているのが中村奨吾だ。開幕から全80試合で二塁手としてスタメン出場し、6失策の守備率.985と安定した守備を披露。中堅・
荻野貴司、
福田秀平、捕手・
田村龍弘が故障離脱する中で、遊撃の
藤岡裕大とセンターラインを固めている。打っても開幕当初は六番に座って、下位から好機をつくることも多々。シーズン中盤以降はクリーンアップや一番起用もあるなど、多彩に役割を果たしている。ミスターロッテの象徴、背番号“8”を着ける男が、好守好打でチームを15年ぶりのリーグVに導く。
東北楽天ゴールデンイーグルス
楽天不動のセカンドは、チームの主砲を務める浅村栄斗だ。9月21日現在、今季の守備率.987は西武・外崎修汰に続くリーグ2位の数字と、ソツなくこなしている。守備の時間も、自身の打撃と密接にリンクする。連戦が続く今季は、負担軽減のために指名打者として起用されることも増えているが、「裏で準備する時間も多い。グラウンドに立ってチャンス、ピンチを肌で感じないと、なかなか(試合に)入っていきづらい」。18試合ぶりに二塁守備に就き、8回に逆転2ランを放った8月4日のソフトバンク戦(楽天生命パーク)後の本人の言葉だ。決してラクなポジションではないが、守って、打ってチームに貢献するのが浅村の流儀だ。
北海道日本ハムファイターズ
2019年シーズン限りで現役を引退した
田中賢介の後継者は誰が担うのか。多くの候補が名を連ねた中で、昨季からポジションをつかんだのが渡邉諒だった。持ち前のパンチ力ある打撃を武器に、強打のセカンドとして台頭。プロ7年目の今季も開幕から存在感を発揮し、特にストレートには無類の強さを発揮して「直球破壊王子」の異名もついた。一方で課題は守備。ここまでパ・リーグの二塁手ではワーストの7失策を喫し、試合の勝敗に直結する痛恨のミスも大きな反省材料。渡邉がもう1つ上のステージに行くためには、守りのレベルアップが不可欠だ。
オリックス・バファローズ
流動的な起用が続く。今季80試合で二塁に就いた選手は6人を数える。最多は49試合の
大城滉二だが、開幕から21試合連続無安打とバットが湿ったことに加え、
安達了一の休養日に遊撃に回ることもあるなど固定できず。そんな中で9月20日の西武戦(京セラドーム)では、高卒2年目の太田椋が一軍再昇格即『三番・二塁』でスタメン出場して初回の第1打席で左翼5階席へ特大の3号ソロを放った。守っても5度の守備機会を難なくこなして無失策。「試合に出れるならどこでもやる」という言葉どおり、本職の遊撃に加えて軽快なプレーを見せた。同戦での遊撃には同じく高卒2年目の
宜保翔が就くなど、二遊間の若返りが進んでいる。
写真=BBM