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源田、福田、小深田に続く堅守の遊撃手。上川畑大悟は「内野手補強」を考えている球団にうってつけの存在

 

名ショートも認めるグラブさばき


NTT東日本の大卒2年目の遊撃手・上川畑大悟は華麗な守備力が武器である


 昨年のドラフトで楽天から1位指名を受けた小深田大翔がパ・リーグの新人王候補に挙がっている。安定した遊撃守備に、シュアな打撃。2017年の新人王は西武の遊撃手・源田壮亮だった。源田は愛知学院大からトヨタ自動車へ進み、小深田は近大から大阪ガス。いずれも大卒入社2年目でプロ入り。社会人出身の内野手が1年目のシーズンから「即戦力」で活躍することを証明している。

 迎えた2020年ドラフトにおいて「内野手補強」を考えている球団としては、うってつけの存在がいる。

 NTT東日本の不動の遊撃手・上川畑大悟だ。日大時代からディフェンス力に定評があり、4年時には大学日本代表でプレー。18年8月29日、高校日本代表との壮行試合(神宮)でも超美技を披露して、周囲を驚かせた。プロ志望届は提出せず、社会人球界へ進み、入社から2年で、さらに守備力が磨かれている。元中日井端弘和氏がNTT東日本の臨時コーチを務めているが、かつての名ショートも認めるグラブさばきが、上川畑にはある。

 10月5日。JR東日本との都市対抗東京第1代表決定戦(大田スタジアム)も見ごたえ十分だった。1回裏無死二、三塁のピンチ。JR東日本・佐藤拓也(立大)がバットを折っての打球は、マウンド後方への高いバウンド。先制点となる三塁走者の生還は許したものの、華麗なジャンピングスローで打者をアウトにした。3回裏には三遊間の深い打球をバックハンド(逆シングル)で捕球し、一塁へ矢のような送球で楽々アウト。内野安打になってもおかしくなかった、この2つ打球をいとも簡単に処理するあたり、守備職人の域に達している(チームはこの試合、0対3で敗退)。

 この日は安打こそ出なかったが、左右に打ち分ける打球が持ち味だ。あるNPBスカウトは「初回の守備も慌てることなく、余裕さえ感じた。これも技術の高さ。守りならば即、プロで通用する」と太鼓判を押す。右投左打の遊撃手。NTT東日本出身の遊撃手では、17年の都市対抗優勝に貢献して橋戸賞(MVP)を受賞したオリックス福田周平(明大)が思い浮かぶ。上川畑の堅守を前面に押し出したプレースタイルを見ていると源田、福田、小深田に続きそうな可能性を感じるのである。

文=岡本朋祐 写真=田中慎一郎
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