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2年連続都市対抗出場を成し遂げたヤマハの立役者とは

 

4連勝で代表切符


2年連続都市対抗出場を決めたヤマハナイン


 第91回都市対抗野球大会は11月22日、東京ドームで開幕する。代表チームを決める各地区の二次予選も大詰め。全国屈指の激戦区と言われる東海地区からは6チームが名乗りを上げた。

 浜松市代表のヤマハは岡崎市代表の三菱自動車岡崎との第3代表決定戦(10月2日)を14対2で制し、2年連続41回目の本戦出場を決めた。

 試合後、ヤマハ・室田信正監督は「ホンダ鈴鹿との初戦(第1代表決定ゾーン1回戦)で負けて(3対4)、これは苦しい予選になるな、と覚悟はしていました。ここまで本当に選手がよく我慢してくれたと思います。今日の勝利は、ここまでの鬱憤を晴らす展開にもなったので、自信につながったと思います」と振り返った。第3代表決定ゾーンは1回戦から代表決定戦まで4連勝で、代表切符を手にした。

 先発を任されたフェリペ・ナテルは、新型コロナウイルスの感染拡大の影響による大会中止期間を活用して、肉体改造に着手。トレーニングにより約10キロ減量。体が軽くなり、思うように動くことで、以前よりもボールの球威が増したという。

「今日は最低限ですけど、ゲームがつくれて、勝てて良かったです。余計な四球を出さないことが良いリズムを生むので、本戦までにしっかり修正して、東京ドームでは一戦一戦、集中して戦いたいです」

都市対抗初優勝から30年


 打の立役者は四番・前野幹博だ。

 昨年から副キャプテンに就任。コロナ禍で全体練習の自粛期間は、若手選手の練習をサポートするなど、チームを支える精神的支柱となった。この間、自身もレベルアップに努め、二予選では優秀選手賞を受賞する活躍を見せた。

 三菱自動車岡崎との第3代表決定戦では、1回表一死一、三塁から右犠飛で貴重な先制点。序盤から主導権を握ったヤマハは攻撃の手をゆるめず、先発全員複数安打を記録した。

「初回で何とか1点を取るぞ、という気持ちで打席に立っていました。(第1代表決定ゾーンの)1回戦で負けて、そこから4連勝するつもりでいました。キャプテンの矢幡(矢幡勇人)を中心にチーム全体で前向きになれたのが良かったのではないかと思います。本戦までまだ時間があるので、しっかり調整をしてこの勢いが継続できるよう自分の仕事をこなします」(前野)

 1990年の初優勝から30年。浜松市に再び黒獅子旗を持ち帰るべく、ヤマハナインの活躍から目が離せない。

文・写真=豊島わかな
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