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週べ60周年記念

日大桜丘高校・仲根正広投手のすべて/週べ回顧1972年編

 

 一昨年、創刊60周年を迎えた『週刊ベースボール』。現在、(平日だけ)1日に1冊ずつバックナンバーを紹介する連載を進行中。いつまで続くかは担当者の健康と気力、さらには読者の皆さんの反応次第。できれば末永くお付き合いいただきたい。

当時では異次元の長身投手


力投するジャンボ仲根


 今回は『1972年2月21日号』。定価は90円。

 体重84キロというと、当時として巨漢だが、この選手はむしろ痩せ型に見えた。
 センバツ出場を決めた日大桜丘高のエース、身長190センチの仲根正広である。

 愛称はそのまま「ジャンボ仲根」。今回(2020年)のドラフトでは2メートル投手が話題になったが、当時の190センチ超の成功投手と言えば、スタルヒン(元巨人ほか)くらいか。
 長身投手での大成は金田正一(国鉄─巨人)くらいと言われていたが、金田は184センチだった。日大桜丘の平均身長が172センチだったというから、まさに頭一つ大きかった。

 仲根は2年秋の新チームから15勝1敗、防御率0.61。当時、長身投手は動きが鈍いと言われたが、仲根は違った。打撃もよく、足も100メートル12秒2と速かった。
 仲根の家は笹塚で焼き肉屋を経営。兄も大柄で日大で柔道部に入っていたという。

 投球スタイルは真っすぐ主体に時々カーブ。成東高で仲根と同学年だった元中日鈴木孝政氏は、
「あの球は速かった。びっくりした」
 と話していた。鈴木氏自身、高校時代、快速球で鳴らした男。本当に速かったのだろう。

 このチーム、監督も話題になっていた。
 香椎瑞穂監督。日大の名将として「東都のステンゲル(メジャーの名将)」とも言われた名将だ。日大を「体も弱りましたんで、野球と縁を切ろうと思いまして」と退任した後、乞われて系列高校の指揮官となっていた。

 では、また月曜に。

<次回に続く>

写真=BBM
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