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修徳のエース・床枝魁斗が早実打線を抑えられなかった理由とは?

 

「相手の攻撃はしたたかだった」


修徳高の179センチ右腕・床枝は最速143キロ。今秋は東京都大会で初戦敗退に終わったが、来春へのリベンジを固く誓った


 東京都秋季大会が10月18日に開幕した。早実と修徳による強豪校同士の1回戦屈指の好カード(ダイワハウススタジアム八王子)は1点をめぐる攻防が期待されたが、修徳は2対9の7回コールドで敗退している。

 試合後、修徳高・荒井高志監督は「勝つ算段で準備をしてきましたが、精神的、技術的にも力不足でした」と、潔く敗戦を認めた。

 すぐ横には、絶対的エース・床枝魁斗(2年)がいた。3回に5失点のビッグイニングとされたが、先頭の九番に四球を与えた場面を、指揮官は「練習試合から、絶対にやってはいけない展開」と悔やんだ。床枝は179センチで、最速143キロの本格派右腕である。

 荒井監督は「割り切って、ゾーンに投げてほしかった」と、ボールが荒れるのは想定済で、グイグイと押す姿勢を見たかったという。だが、早実打線の重圧は想像以上。結果を求め、抑えたいがあまりに「大事にいき過ぎてしまった。相手の攻撃はしたたかだった」(同監督)。走者をためたところで、最終的には取りにいったボールを痛打される悪循環。これも、公式戦でしか経験できない「勝負」である。

 注目の四番・清宮福太郎(2年)との第1打席では1回二死二塁から、スライダーで見逃し三振。しかし、3回の第2打席では外角へ外したはずのスライダーを拾われてしまい、中前へ運ばれ2点目のタイムリーとなった。

「うまく当てられた。相手のほうが、技術が上でした。割り切っていったんですが、甘い部分が出た(後続にも打たれ、その後3失点)。チームを勝たせるピッチャーになりたい」

 荒井監督は会見で終始「まだまだ、甘い」との言葉を繰り返したが、期待の裏返しである。

「一生懸命やる、賢い子。みっちり一冬やって、鍛え直していきたい」

 荒井監督は2018年冬に就任。昨夏は東東京大会8強、同秋も8強とチームを上位進出へと導いている。床枝は旧チームから主戦として活躍。指にかかった際のストレートにはキレがあり、スライダー、カットボール、カーブも精度が高い。このままでは終われない。2013年夏以降、遠ざかる甲子園へ、指揮官とエースは二人三脚で鍛錬を重ねていく。

文=岡本朋祐 写真=黒崎雅久
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