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ライオンズにまた会う日を楽しみに…戦士の休息地の今は?

 

プリンス ワイキキのプールサイドからサンセットを撮影する辻監督(球団提供)


 ライオンズがシーズンのクライマックスに向けて調子を上げていく中、遠く離れたハワイ・ホノルルからその様子を喜ぶ人がいる。プリンス ワイキキでセールス&マーケティング部長を務めるホワイト亜由未氏だ。試合後、ライオンズナインが勝利のエアハイタッチをベンチ前で交わす姿を画面越しで見ては、よみがえってくるシーンがあるという。

「私、あのときの辻(辻発彦)監督のリラックスした表情が忘れられないんです」

 あのときとは、2019年の12月。埼玉西武ライオンズが優勝旅行でホテルを訪れたときのこと。「普段、スタジアムではあんなに真剣な顔をされている辻監督が、プリンス ワイキキのプールサイドからサンセットを眺めていらっしゃったとき、“ありのまま”のご自分を楽しんでおられたのではないかと思います」。長いシーズンを戦い抜いた戦士の休息といえよう。辻監督はハワイの海に沈んでいく夕陽に自身のスマートフォンを向け、その様子を撮影していた。

 昨年、一昨年とライオンズにとっては“至福のひととき”を過ごしたのがここプリンス ワイキキ。一方で新型コロナウイルス感染拡大の影響はハワイでも顕著に出ているという。ここプリンス ワイキキも4月上旬から10月末までは全館クローズ。スタッフも在宅勤務になるなど、厳しい状況が続いている。

 しかしその中で、ホテルは再び戻る日常のために、お客さんがいないこの時期をメンテナンスに充てたという。

「選手がご家族と楽しんでいただいたプールデッキも少々色あせているところがありました。その部分の塗り替えや、メーンプールのタイルの取り換えなどをしています。11月に再開してお客さんには今まで以上にこの施設を楽しんでほしい……。だからこの期間はホテルをお客さまにとってより快適なものしようと思いました」

 この期間、静かな時間が流れる館内の中でその作業音だけが響いていた。

 先が見えない状況が続く中で、「うれしかったのは6月19日のプロ野球開幕だった」とのこと。ホワイト亜由未氏も「やっぱり野球というスポーツは日本全国に、そしてメジャー・リーグも再開したことから、世界に元気を与えることができるスポーツだと思いました」とそのときを振り返る。そして、「埼玉西武ライオンズというチームは私たちにとって“遠いところにいる家族”のようなもの。同じ西武グループである私たちがそのファミリーの1年間の頑張りを癒すために出迎える……。それはとっても光栄なことだったんです」と続けた。

プリンス ワイキキのプール(球団提供)


 プリンス ワイキキは、この11月ようやく営業再開を果たす予定だ。訪れる人すべてを笑顔にするために環境を整え準備をしているこの約半年間。またいつか、埼玉西武ライオンズのナインとこの場所で再会できることを信じて、プリンス ワイキキはハワイを愛する人のために扉を開ける。

西武ライオンズ
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