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週べ60周年記念

“高田ファウル”をいかに減らすか、“長嶋先生”と考えよう?/週べ回顧1972年編

 

 一昨年、創刊60周年を迎えた『週刊ベースボール』。現在、(平日だけ)1日に1冊ずつバックナンバーを紹介する連載を進行中。いつまで続くかは担当者の健康と気力、さらには読者の皆さんの反応次第。できれば末永くお付き合いいただきたい。

長嶋先生はなかなかナイス


表紙は阪神田淵幸一


 今回は『1972年3月13日号』。定価は100円。

 8連覇を目指す巨人の宮崎キャンプで、毎晩選手主体のミーティングが開かれていた。
 要は選手が講師になっての勉強会だ。
 2月22日の講師は外野手の高田繁だった。コーチが指示したテーマは「バッティング」である。
「いま僕はスタンスを少しクロス気味に構えて打っているんです。宮崎に来てしばらくこの打ち方で打っているんですが、調子は悪くないです」
 と高田が言うと、割って入るように、すぐ質問の口火を切ったのが、長嶋茂雄選手兼任コーチだった。
「おい、高田、ちょっと待った。お前それ、どういう狙いでクロスにしたか聞かせてくれ。年間を通じてレフト線に切れるファウルが50から60本あるが、そのクセを直そうとしているのか、それとも何となく打ちやすいからなのかい」
「直そうとしているからです」と返事をした高田。“高田ファウル”とも言われ、レフト線への好打がファウルになるのが多い選手だった。
 対して、長嶋はこう続ける。
「同じひとつのことにしても、はっきりした目的意識を持ってやるのと、そうでないのでは全然違う。聞くほうも聞き方が違ってくる。それじゃ、お前のクセについて、もう少しみんなで話してみようじゃないか」
 ナイス長嶋先生。監督時代の感覚派指導とはかなり印象が違うが、なぜか。

 では、またあした。

<次回に続く>

写真=BBM
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