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ファンとの見えない“会話”――西武・小関竜也コーチ「思い出のライトスタンド」

 

現役時代、右翼を守る小関コーチ(写真=BBM)


 とある日のナイトゲーム練習前、ふとライトスタンドに向かったのは、外野守備・走塁コーチを務める小関竜也。1998年に新人王を獲得し、移籍する2005年オフまで主に右翼を守っていた小関にとって、そこはライオンズファンを最も身近に感じる場所だった。

 現在、外野芝生席はメットライフドーム改修計画の一環で工事中。来シーズンから姿が変わってしまうため、“思い出”の場所へ向かった。

 ライトスタンドに到着するやいなや、小関の脳裏にはあるライオンズファンの姿がよみがえってきた。「当時、いつも観戦に来ていた子がいて“僕の目標の選手です”ってボードを掲げてくれていたんだよ」。現役時代、ライオンズファンに支えられていると実感した出来事の1つでもあった。小関は1994年にライオンズに入団し、2002年には松井稼頭央と不動の一・二番コンビを形成。攻守走そろったレギュラーの右翼手として、いつもライトスタンドから聞こえるライオンズファンの声援を背に守備に就いていた。

 小関自身、ライトスタンドに足を運んだのはこの日が初めて。その急な斜面に驚いたものの「打球が飛んでくるスピードだったり、サヨナラの場面でランナーが走っていく光景は見ていて興奮するだろうね」と応援を楽しんでいるファンの気持ちを想像した。

ライトスタンドに立つ小関コーチ(球団提供)


 小関にとってライトスタンドは読売ジャイアンツに移籍してからも思い出がある。2006年の交流戦。当時も一塁側がライオンズの本拠地で、そこにはたくさんのファンで埋まっていたが、その中には「OZEKI 31」のユニフォームを着るファンがいた。「あれはうれしかったですね」と回想したように、いつも右翼を守る小関とその後ろのスタンドには見えない“対話”があった。

 そんなライトスタンドの外野芝生の全面リニューアル工事は着々と進んでいる。2008年までライオンズファンと歴史を重ねてきた“聖地”で試合を見ることができるのは今シーズンが最後。もう一度あの場所にピクニックシートを敷き、そこから懐かしい景色を目に焼き付け、その思い出を“チケット”として形に残してはどうだろうか。11月2日のライトスタンドのチケットはまだ購入可能だ。

西武ライオンズ広報部
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