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編集部員コラム「Every Day BASEBALL」

初取材で助かったDeNA・石川雄洋の気遣い

 

2015年5月に行ったベイスターズ新旧キャプテン対談。石川(写真左)が対談インタビューをうまくリードしてくれた。あのときは助かりました


 週刊ベースボール編集部への異動が決まり、ベイスターズの担当となったのが2015年5月。当時、中畑清監督が率いるチームは開幕から絶好調。セ・リーグの首位を走っていた。そうした状況に、編集長から「DeNAで特集を組んでほしい」と異動まもない私に指令が飛んだ。

 新天地に来てわずか1週間。右も左も分からない中で、苦心して企画したのが石川雄洋筒香嘉智の対談だった。DeNA初代キャプテンの石川と、このシーズンから23歳の若さでキャプテンに就任した筒香に「チームリーダー」について語ってもらおうと考えた。

 迎えたハマスタでの取材日。私の一夜漬けの知識では話題をうまく広げられず、取材はスムーズに進まなかった。隣を見れば不機嫌そうに筒香が沈黙する……。そんな最悪の雰囲気を救ってくれたのが、石川だった。企画の趣旨に沿ったコメントを意図的に発信。横浜高の後輩でもある筒香にも上手に話題を振ってくれ、なんとか取材は終了。対談は無事誌面に掲載されたのだった。

 その風貌もありどこか軽薄な(失礼!)イメージを勝手に抱いていたのだが、石川に対する印象はガラッと変わった。チーム内ではロペスと並んで、後輩をはじめ仲間から慕われる存在。移籍選手を積極的に食事に誘うなど気遣いの人でもある。試合になれば、出場するだけで流れを変えられる数少ないプレーヤーの1人だと思う。

 今季限りでの退団はほぼ決定的。来季は他球団で現役を続ける道を探すものと見られる。10月30日のファーム最終戦となったイースタン・西武戦(横須賀)で、球場を訪れたファンに別れを告げた。一軍の最終戦は11月14日に巨人戦(横浜)が予定されている。ぜひハマスタでも、ベイスターズでの最後の雄姿を見せてほしい。
文=滝川和臣 写真=BBM
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