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外野で軟式のゴロの捕り方は?/元西武・平野謙に聞く

 

読者からの質問にプロフェッショナルが答える「ベースボールゼミナール」。今回は外野守備編。回答者はゴールデン・グラブ賞に9度輝いた名手、元西武ほかの平野謙氏だ。

Q.軟式のチームで外野手になったばかりなのですが、ゴロの捕り方について教えてください。走っていって捕るとき、バウンドが合わず、頭を越えてしまうときがあります。どうしたらいいですか。(神奈川県・小学6年生)



A.慣れないうちは送球を意識し過ぎず正確な捕球を優先してください
 

現役時代、名外野手として活躍した平野氏


 軟式球でもあまり弾まずに転がってくることはありますが、ポンポンと大きく弾んで外野まで飛んでくることも多く、確かに慣れていないとバウンドの感覚が分かりづらいと思います。早く投げなければと突っ込み過ぎてバウンドと合わず、頭を越えてしまったり、難しいバウンドで捕球することになり、捕り損ねて後逸してしまうこともあります。外野手の後逸は余計な点を相手に与えることにもなるので避けなければいけません。

 まず大事なのは捕ることです。試合では緊張もあり、早く投げなきゃと焦りがちですが、特に慣れないうちは送球を意識し過ぎず、正確な捕球を優先してください。

 グラブの出し方もあります。低いゴロと同じように下から出そうとすると、ちょうど上から下に落ちてくるタイミングならいいですが、目の前で弾んだときは飛び上がったようになって非常に窮屈な捕り方になってしまいます。明らかに下から出したほうが捕りやすいと早い段階で分かれば、それでもいいのですが、迷うこともあると思います。まずはキャッチボールと同じ捕り方で、胸の前で捕球してみてください。余計な力も入らず、自然に捕ることができるはずです。体が起きている分、捕れなくても体に当てて止めることもできるでしょう。

 ボールの弾み方を予測するためには慣れていくことが大事ですが、これは普段の遊びからでも身につけることができます。一人であればカベ当てもいいでしょう。当て方でも違い、下にワンバウンドさせて当てたらフライになります。

 2人ならキャッチボールでいろいろやってみるのもいいと思います。2人で互いに高く投げ上げ、フライを捕る練習をすることもあると思いますが、そのまま捕らず、一度、バウンドさせてから捕ったり、地面にたたきつけるように大きく球を弾ませて捕る練習もあります。遊び心を持ち楽しみながらやってみてください。

 実際には、それほど変わらないと思いますが、知らない球場に行ったときなどは跳ね方が不安になるときもあるかもしれません。そのような場合、地面にボールを思い切りたたきつけてみるのもいいと思います。弾み具合を確認し、それから先ほどのようなキャッチボールやノック、時間があればバッティング練習の間、外野に入って、いろいろな打球を見て実際に捕球していくことで、試合への不安もなくなっていくと思います。

●平野謙(ひらの・けん)
1955年6月20日生まれ。愛知県出身。犬山高から名商大を経て78年ドラフト外で中日入団。88年に西武、94年にロッテに移籍し、96年現役引退。現役生活19年の通算成績は1683試合出場、打率.273、53本塁打、479打点、230盗塁。

『週刊ベースボール』2020年11月16日号(11月4日発売)より

写真=BBM
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