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【12球団監督採点簿】最高得点は工藤監督、最低得点の監督は誰?

 

 新型コロナウイルスの影響で開幕が3カ月遅れ、過密日程での120試合制という異例のシーズンだったが公式戦を無事に消化し、選手たちは調整が難しい中でファンの心を揺さぶるプレーを魅せてくれた。ペントレースを振り返ると、セ・リーグは巨人が首位を独走してリーグ連覇を達成。パ・リーグはロッテが奮闘したが、ソフトバンクが地力の強さをシーズン終盤に発揮して3年ぶりのリーグ優勝を飾った。今回は順位、戦力を配慮した上の采配力を分析。12球団の監督の採点簿をつけてみた。

巨人・原辰徳監督


【セ・リーグ】
・1位 巨人 67勝45敗8分 勝率.598  
★原辰徳監督 90点
「今年は原監督の采配力で勝った」と手腕を評価する声が多い。坂本勇人丸佳浩ら主軸の調子が上がらず、先発投手も計算できるのは菅野智之のみと心許ない状況だったが、若手の戸郷翔征増田大輝らを抜擢。トレード加入したウィーラー高梨雄平の活躍も光った。ただ、日本シリーズはソフトバンクに屈辱の2年連続4連敗。力の差を感じさせられた。

・2位 阪神 60勝53敗7分 勝率.531
矢野燿大監督 65点
 貯金7の2位は及第点をつけられるだろう。開幕から調子が上がらなかった近本光司サンズを我慢強く使い続けたことで復調した采配は評価できる。ただ、巨人戦は開幕戦で3連敗を喫するなど8勝16敗と大きく負け越し。首位独走の一因になってしまった。

・3位 中日 60勝55敗5分 勝率.522
与田剛監督 65点
 8年ぶりのAクラス。7月7日のヤクルト戦で野手を使い切り、一打サヨナラの場面で投手の三ツ間卓也を代打で起用した采配は波紋を呼んだが、福敬登祖父江大輔ライデル・マルティネスの「勝利の方程式」を確立した。投打でもう1ランクレベルアップ目指す。

・4位 DeNA 56勝58敗6分 勝率.491
アレックス・ラミレス監督 60点
 投打ともに優勝を狙える戦力で下馬評は高かったが、故障者が続出。個々の力に頼った野球で接戦に弱かった。データを重視した采配で時に奇抜な策は賛否両論あったが、四番に抜擢した佐野恵太が首位打者を獲得するなど選手の能力を見極める能力は高かった。

・5位 広島 52勝56敗12分 勝率.481
佐々岡真司監督 50点
 2016〜18年にリーグ3連覇を達成した強さはすっかり鳴りを潜めた。今季はリーグ2位の523得点も、失点がリーグ5位の529失点。救援陣が最後まで不安定だった。佐々岡監督が目指す「守りの野球」に程遠く、勝負どころで手痛いミスが目立った。

・6位 ヤクルト 41勝69敗10分 勝率.373
高津臣吾監督 55点
 開幕して1カ月は貯金を作って健闘したが、投打ともに戦力不足は否めない。夏場以降は低迷し、2年連続最下位に沈んだ。高津監督に「あの戦力では……」と同情的な声も。来季は奥川恭伸や我慢強く使い続けた清水昇長谷川宙輝寺島成輝ら若手投手の活躍が期待される。

ソフトバンク・工藤公康監督


【パ・リーグ】
・1位 ソフトバンク 73勝42敗5分 勝率.635
★工藤公康監督 95点
 投打ともに充実した戦力を擁し、シーズン終盤に12連勝で首位を独走するなど工藤監督の手綱さばきが光った。ベテランの内川聖一を一軍に一度も上げないなど勝利に徹して非情な姿勢を見せることも。18、19年と西武にリーグ連覇を許したが、今年は「横綱相撲」で勝ち切った。日本シリーズは史上初の2年連続で4連勝。4年連続日本一は偉業だ。

・2位 ロッテ 60勝57敗3分 勝率.513
井口資仁監督 90点
 今年最もペナントレースを熱くしたのはロッテではないだろうか。投打ともに個々の能力は決して高くないが、シーズン途中に加入した澤村拓一をセットアッパーで起用。コロナ感染で主力が大量離脱する中、二軍から昇格した藤原恭大をリードオフマンに抜擢して活躍した。救援陣も疲労を配慮して連投を避けるなど、井口監督の大胆かつ緻密な采配が光った。

・3位 西武 58勝58敗4分 勝率.500
辻発彦監督 70点
 3連覇を狙ったシーズンだったが、山川穂高中村剛也の両主砲が打撃不振。森友哉外崎修汰もなかなか調子が上がらず打線の組み替えに苦労した。投手陣もニールが6勝、今井達也が3勝止まり。誤算続きの中で若手を積極的に起用してCS争いに食い込んだ辻監督の手腕は評価できる。

・4位 楽天 55勝57敗8分 勝率.491
三木肇監督 50点
 昨オフに鈴木大地ロメロ涌井秀章牧田和久と大型補強を敢行。優勝候補の一角に目されていたが、逆転負けがリーグワーストの32試合と脆かった。三木監督が提唱した「走塁改革」も実を結んだとは言えず、投打が最後までかみ合わなかった。

・5位 日本ハム 53勝62敗5分 勝率.461
栗山英樹監督 45点
 昨季から導入した「オープナー」が機能しているとは言えず、開幕から1割台に低迷している清宮幸太郎を最終戦までファームに降格させないなど采配と育成のビジョンに疑問の声が。12年に監督就任してリーグ優勝を2度飾ったが、17年以降は優勝争いから遠ざかっている。球団史上最長を更新する10年目の指揮を振るう来季は正念場になる。

6位 オリックス 45勝68敗7分 勝率.398
中嶋聡監督代行 60点
西村徳文前監督が最下位に低迷した8月中旬に辞任したのを受け、監督代行に就任。ファーム暮らしの若手を積極的に起用してチーム内の競争が激化した。47試合で21勝24敗2分は健闘したと言えるだろう。監督に正式就任した来季はどんな野球を見せるか。

写真=BBM
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