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セ・リーグ6球団 今季の先発陣評価&来季の展望は?

 

読売ジャイアンツ



 先発ローテーションを守ったのは2人。NPB記録の開幕(投手からの)13連勝含むセ・リーグトップの14勝を挙げた菅野智之と、高卒2年目で9勝の戸郷翔佂だ。これに続いたのが8勝のA.サンチェス。故障による途中離脱がなければ勝ち星を伸ばしていた可能性もある。この3人で貯金19。大半は菅野だが、連覇に貢献したといっていい。ただ、4番手以降は4勝にとどまったC.C.メルセデスの故障や、田口麗斗桜井俊貴の結果が伴わないことによる配置換え、途中からローテ入りとなった畠世周など、1年を通した活躍をした者がおらず。総合的に判断して65点。MLB移籍も考えられる菅野の去就は未定だが、ただ、直江大輔(腰を手術)、横川凱らが一軍のマウンドを経験し、来季以降への期待を持たせた。

阪神タイガース



 阪神で規定投球回数に達したのは西勇輝と青柳晃洋の2人。2ケタ勝利に到達したのも西勇の11勝5敗と秋山拓巳の11勝3敗の2人だ。開幕前はここに高橋遥人ガンケル岩貞祐太などの先発候補の名前が挙げられ盤石と思われていた。しかし、高橋が調整不足で開幕に出遅れ、ガンケルが打たれる場面が多くなった。つまり4番手以降に苦労したシーズンだった。それでも2位に入り、西勇と秋山で14個の貯金を作ったのは大きい。ここに後半戦で復調を見せ始めた藤浪晋太郎が来季加われば、来季は投手王国を再建できる可能性が高い。

中日ドラゴンズ



 シーズンを通して先発ローテーションを守ったのは沢村賞を受賞した大野雄大のみ。全120試合で20試合登板。6試合に一度、必ず先発マウンドに上がった。期待の大きかった2人の右腕、2年目の梅津晃大と3年目の山本拓実は開幕ローテーションに名を連ねたものの、梅津は故障、山本は不振で脱落。その穴を埋めたのが開幕二軍スタートとなった福谷浩司だ。福谷は抜群の安定感で8勝をマークし、柳裕也に代わって右のエースとなった。その柳は昨年チームトップの11勝だったが、今季は故障もあって6勝どまり。オリックスから移籍2年目の松葉貴大、プロ2年目の勝野昌慶も中盤から先発ローテーションに入り、松葉は3勝、勝野は4勝を挙げた。ロドリゲスも育成から支配下登録を勝ち取って3勝をつかんだ。

横浜DeNAベイスターズ



 前半は開幕投手の今永昇太をはじめ、先発ローテがうまく機能した。特に平良拳太郎は勝ち星には恵まれなかったものの、抜群の安定感で一時は防御率でリーグトップにつけるなど、たくましい姿を見せた。しかし、8月に入り今永と平良が相次いで戦線を離脱するとチームはずるずると順位を下げた。出遅れて一軍に合流した上茶谷大河も精彩を欠き、一軍、二軍を行ったり来たりと厳しい状態。井納翔一坂本裕哉が踏ん張るも上位を狙うには限界があった。2年目の大貫晋一が2ケタをマークし孤軍奮闘するも、先発投手陣の出来がBクラス転落に直結してしまった。来季は左肩手術に踏み切った今永と、トミージョン手術明けの東克樹の動向が不透明。井納もFA流出の可能性もあり、楽観視できない状況だ。

広島東洋カープ



 当初の構想にあった7投手のうち、シーズン後半には大瀬良大地、K.ジョンソン、野村祐輔と3人が戦列離脱。チーム最多10勝をマークした森下暢仁のルーキーとしては出色の成績と、初めて規定投球回数に到達、8勝を挙げた九里亜蓮の頑張りを勘案しても、100点満点で60点といったところだろう。このほか、遠藤淳志が1年間先発を守った。5勝に終わったが、立ち上がりを克服すれば来季は楽しみ。床田寛樹は後半戦に持ち直して何とか5勝。2021年は森下、九里、遠藤に加え、大瀬良の復活が絶対条件。残りのイスを、床田、ドラフト1位の栗林良吏、新外国人のネバラスカス、今秋のフェニックス・リーグで好投した高橋昂也矢崎拓也らが争うことになるか。

東京ヤクルトスワローズ



 今季はリリーフ陣が踏ん張った分、先発陣の不安定さが際立ってしまった。100点満点中、40点とさせてもらう。とはいえ、ノーヒットノーランを達成した小川泰弘や、高梨裕稔は先発ローテーションを守ったし、石川雅規も15試合に先発。ルーキーの吉田大喜もローテに食い込んだし、コンディション不良による離脱があったとはいえ、一時は防御率リーグトップにも立ったスアレスは、12試合に登板で防御率2.67と奮闘した。援護がなく敗れた試合もあったが、規定投球回到達者はゼロ(小川は119回で、あと1イニング足りず)。来季以降は、最低でも5回3失点にとどめ、長いイニングを投げられる投手の出現が待たれる。高橋奎二や奥川恭伸、今季終盤に結果を出した金久保優斗ら若手の活躍に期待したい。

写真=BBM
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