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来季大ブレークの雰囲気が漂う12球団の「イチオシ選手」は

 

 新型コロナウイルスの影響により、120試合の過密日程で行われたペナントレースだったが、セ・リーグは広島のドラフト1位右腕・森下暢仁が10勝3敗、防御率1.91と新人王を獲得する好成績をマーク。リーグ連覇を達成した巨人は高卒2年目の戸郷翔征が先発ローテーションで回り、9勝6敗、防御率2.76と大きく貢献した。パ・リーグに目を移すと、楽天のドラフト1位・小深田大翔が112試合出場で打率.288、3本塁打、17盗塁とリードオフマンに定着。3年目の西武平良海馬はリーグ最多タイの54試合登板で1勝33ホールド、防御率1.87とセットアッパーで抜群の安定感を誇った。

 来季に大ブレークする可能性を秘めた若手は誰だろうか。12球団のイチオシ選手を紹介しよう。
※は今季成績

セ・リーグでブレーク必至の若手


巨人・井上温大


・巨人 井上温大 
※一軍出場なし

 2020年ドラフト4位で入団した左腕。145キロを超える直球と2種類のスライダーの質は高く、制球力もいい。エース・菅野智之がポスティングシステムでメジャー挑戦を目指し、先発ローテーションで一軍に定着している左腕がいない状況は井上にとって大きなチャンスだ。高卒2年目でブレークした戸郷に続きたい。


・阪神 石井将希
※1試合登板、0勝0敗、防御率9.00

 今季はウエスタン・リーグで27試合登板し、防御率1.50。9月に支配下昇格すると、10月7日の広島戦(マツダ)で一軍デビューを飾った。左腕からスライダー、カーブ、フォーク、チェンジアップと多彩な変化球が持ち味で、今オフにオーバースローからサイドスローに転向。遠山奬志のような球界を代表する「左殺し」になれるか。


・中日 岡林勇希  
※6試合出場、打率.286、0本塁打、0打点

 身体能力が高い強肩強打の外野手。菰野高では最速153キロを武器に投手としても評価が高かった。今季はウエスタン・リーグで打率.285をマーク。中日は内野のレギュラーが固まっているが、外野は中堅の大島洋平以外の2枠は固定できていない。俊足巧打を武器に来季はレギュラー定着を狙う。



・DeNA 森敬斗  
※8試合出場、打率.250、0本塁打、0打点

 将来が嘱望されるセンス抜群の遊撃手。今季はシーズン終盤に一軍昇格すると、10月27日の巨人戦(横浜)で代打起用されたプロ初打席で左越え二塁打の鮮烈デビューを飾った。遊撃は倉本寿彦大和柴田竜拓が起用されるなどレギュラーが定まっていない。森もチャンスは十分にある。

広島・田中法彦


・広島 田中法彦  
※2試合登板、0勝0敗、防御率0.00

 150キロを超える球質が重い直球が武器の本格派右腕。今季はウエスタン・リーグで守護神を務め、1勝1敗12セーブ、防御率1.73と抜群の安定感でセーブ王を獲得。10月に一軍昇格し、2試合連続無失点とアピールした。救援陣が不安定なチーム事情で田中法にかかる期待は大きい。


・ヤクルト 金久保優斗  
※3試合登板、0勝0敗、防御率5.40

 しなやかなフォームから145キロを超える直球と大きく曲がるスライダーで打者を打ち取る。入団1年目の2018年に右ヒジの内則側副じん帯の再建術を受け、リハビリに励んできた。3年目の今季は10月に一軍初昇格すると、29日の広島戦(マツダ広島)で5回無失点の快投。先発のコマ不足で苦しむ状況の中、金久保が救世主になれるか。

パ・リーグでブレーク必至の若手



・ソフトバンク 佐藤直樹  
※一軍出場なし

 社会人・JR西日本からドラフト1位で入団したが、今季は一軍出場なし。打撃が課題でウエスタン・リーグでも打率.229、3本塁打と確実性を欠いた。一方で、俊足は大きな武器だ。ファームで20盗塁、失敗なしの成功率10割で盗塁王を獲得。今季、大活躍の周東佑京も入団1年目の18年にファームで盗塁王になっており、良きお手本になる。自慢の快足を武器に来季は飛躍の年にしたい。


・ロッテ 藤原恭大  
※26試合出場、打率.260、3本塁打、10打点

 高卒1年目の昨年はプロの投手のスピード、キレに対応できなかったが、今季はシーズン終盤の10月にチームのコロナ禍で昇格すると力強さが増したスイングから弾丸ライナー連発して切り込み隊長に。ソフトバンクとのクライマックスシリーズ2戦目では猛打賞をマークした。来季は打率3割、15本塁打も現実的な目標として十分に狙える。

西武・高木渉


・西武 高木渉
※12試合出場、打率.175、2本塁打、5打点

 育成出身ながら1年目の2018年オフに支配下昇格した若手の有望株。今季は8月13日の楽天戦(メットライフ)に一番で抜てきされるとマルチ安打、翌14日の同戦でも猛打賞とアピール。その直後に右足首を痛め登録抹消も、9月に復帰して初アーチを含む2本塁打を放った。来季は勝負の年になる。

楽天・瀧中瞭太


・楽天 瀧中瞭太  
※8試合登板、2勝1敗、防御率3.40

 Honda鈴鹿からドラフト6位で入団した今季はシーズン終盤に先発のチャンスをつかむと、8試合先発で4試合がクオリティースタート(6イニング以上を投げて自責3点以下)ときっちり試合を作り、首脳陣の信頼を勝ち取った。150キロを超える直球、フォーク、カットボールに磨きをかけて来年は2ケタ勝利を狙う。


・日本ハム 野村佑希  
※21試合出場、打率.257、3本塁打、18打点

 高卒2年目で自身初の開幕スタメンを飾り、7月2日のソフトバンク戦(札幌ドーム)でプロ初アーチ、サヨナラの適時二塁打を放ちスター性を感じさせた。7月に右手小指関節内の骨折で3カ月半以上離脱したが、得点圏打率.357と勝負強い打撃が際立つ。来年は三塁でレギュラーの筆頭候補だ。


・オリックス 太田椋  
※20試合出場、打率.259、3本塁打、5打点

 高卒2年目の今季は一軍初昇格した7月16日のソフトバンク戦(京セラドーム)で、プロ初安打初アーチを記録。21世紀生まれの選手で第1号弾を放つと、翌17日の同戦でも10代の選手で球団史上初の2試合連続アーチ。9月20日の西武戦(京セラドーム)でも左翼5階席に特大アーチを放った。底知れない可能性を秘めた大型内野手だ。

写真=BBM
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