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2020惜別球人

【2020惜別球人】広島・石原慶幸 感謝し、感謝され…球団史に名を残した正捕手

 

グラウンド内外でチームを一つに


弱い時期からリーグ3連覇まで正捕手として、またチームから頼られるいぶし銀の存在であった


 さすがに引退会見で「すごく幸せな時間でした」と、現役を振り返った選手だ。オーナー、球団に始まり、そのスタッフ、医療従事者から監督・コーチ、先輩、後輩、戦った仲間、裏方さん、両親、家族、そして日本一のファンへ。その引退スピーチは、最初から最後まで周囲への感謝の言葉で埋め尽くされていた。

 カープひと筋に現役生活19年。捕手では球団史上最多の1620試合に出場し、球団捕手最多の1022安打も放った。6年連続サヨナラ打点や、ボールの行方を見失い、とっさに地面の土をつかんで相手の進塁を阻止したプレーなど、印象的なシーンは多いが、その存在価値はプレーだけにとどまらない。2015年に黒田博樹新井貴浩がチームに復帰したときは、2人のベテラン選手と若手の多いほかの広島ナインを融合させることに心を砕き、2016〜18年のリーグ3連覇につなげた。

 感謝し、感謝され。引退セレモニーの日は、試合前は阪神藤川球児能見篤史、試合後には後輩の會澤翼に2人の愛娘、そして黒田、新井の両氏も登場し、花束を手渡した。

 場内一周の後はナイン一人ひとりと握手。最後に名コンビのジョンソンと抱き合うと、涙雨の降る中、場内は大きな拍手に包まれた。

写真=BBM
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