今季は116試合に出場して打率.288、28本塁打、85打点をマークした大山
ゆったりと大きく構えて、投手をにらむ。そこからフルスイングで一閃。打球はあっという間にスタンドへ消えていく。それが28回もあった。要注意打者として各チームにマークされたが、それさえもはね返した。
主将の肩書きは
糸原健斗がつけていたが、打のチームリーダーとして堂々たる成績を残したのが
大山悠輔だ。昨季は開幕から四番として100試合以上スタメンで起用された。しかし、その重圧にはね返されたのも事実。「自分がしっかりやらないといけないという思いを、昨年以上に感じてシーズンに入りました」と強い気持ちで臨んだシーズンだった。打撃フォームにゆとりを持たせ、投手の傾向を研究し、1球目からフルスイングできる準備をしていく。常に試合までのルーティンを崩さず第1打席を待った。
開幕戦では大山の名前はスタメンになかった。控えの代打扱い。それでも準備を欠かさずに出番を待った。そして、ライバルのマルテが故障で戦線離脱すると、抜擢され、大暴れで四番に返り咲いた。気が付けば
巨人・
岡本和真と本塁打争いを演じるまでに大きな成長を見せた。
もし6月の10試合をスタメンで出ていたら……。6月は本塁打&打点がゼロだっただけに、この男のバットを信じていれば2位以上の位置へチームを導いてくれたかもしれない。それだけ頼れる四番が誕生したのだ。
写真=BBM