週刊ベースボールONLINE

2020惜別球人

【2020惜別球人】西武・高橋朋己 常に三者三振を狙ったピッチング

 

短かったが濃く、幸せな時間


独特の投球フォームから繰り出されるキレのある直球で打者を圧倒した


「今で言えば平良(平良海馬)みたいなものでした。マウンドで絶対的な安心感がありました」と同学年で元同僚の秋山翔吾(レッズ)は言った。2年目の2014年シーズン途中、クローザーになった高橋朋己。左ヒジが遅れて出てくる独特の投球フォームから繰り出される直球は打者に球速以上のスピードを感じさせた。

 マウンドで心掛けていたのは常に三者三振。「僕は器用ではないので、事前に“こうやって打ち取ろう”と考えてもできない。走者がいるときも三振を狙って、結果的にセカンドゴロでゲッツーという感じ。併殺を取りにいくことはありませんでした」。打者を圧倒する投球を見せ、29セーブ、防御率2.01をマークした。翌年も22セーブを挙げたが、9月下旬に右足負傷。16年は開幕直後に左ヒジ痛で離脱すると7月にトミー・ジョン手術を受けるなど、ケガに泣くようになる。

 17年10月、約1年5カ月ぶりに一軍実戦復帰を果たすも、18年開幕早々に左肩を負傷。19年からは育成手になり、背番号は123に。もう一度、背番号43を着けることを誓ったが、それは叶わぬ夢となった。引退試合は10月30日、イースタン・巨人戦(CAR3219)。最後の勇姿を見に、一軍選手も駆け付けた。「サプライズで応援に来てくれて、あれはズルいっす(笑)。ブルペンでずっと泣いてました。プロ生活は短かったですけど、濃く、幸せな時間でした」。来年からは球団のアカデミーコーチとして活動していく。

写真=BBM
週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部が今注目の選手、出来事をお届け

関連情報

みんなのコメント

  • 新着順
  • いいね順

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング