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プロ野球史上初の快挙を成し遂げた“ベテラン右腕”楽天・涌井秀章/2020の主役

 

今季は20試合に登板し、11勝4敗、防御率3.60をマークした涌井


 プロ16年目、34歳のベテラン右腕が新天地で再び輝いた。20試合に登板して11勝4敗、防御率3.60。西武時代の2007年(17勝)、09年(16勝)、ロッテ時代の15年(15勝)に続き、自身4度目となる最多勝のタイトルを獲得。3球団で最多勝を獲得するのは、史上初の快挙だ。涌井は「最初の8連勝を考えると、11勝はちょっと少なかった」と後半戦の失速に反省しつつも、「結果的にそういう(最多勝)争いができたのはいいこと」と、充実感をにじませた。

 新球「こやシン」が絶大な効果を発揮した。小山伸一郎コーチから教わったシンカーのことだ。ストレートと変わらぬ球速で右打者の懐に食い込むため、「打者もなかなか狙い球を絞れないと思う」。もともと多彩な変化球を操る上、さらなる魔球が加わったことで、安定感が増した。8月5日のソフトバンク戦(楽天生命パーク)では「ノーノー未遂」の1安打完封劇を演じてみせた。開幕から8月19日の日本ハム戦(札幌ドーム)まで続けた無傷の8連勝は、「こやシン」のおかげと言っても過言ではないだろう。

 昨季、ロッテでは18試合に登板して3勝7敗に終わっていた。若手の先発起用のチーム方針もあり、自ら志願しての移籍(金銭トレード)。その決断が正しかったことを結果で証明した。ただし、チームは4位に終わっており、手放しでは喜べないのが現実だ。最多勝争いでも千賀滉大石川柊太(ともにソフトバンク)に並ばれての同時受賞。「チームの優勝に貢献できるように頑張る。そして、またこのタイトルを獲りたい」と誓った。

写真=BBM
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