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パ・リーグ6球団 チームの命運を握る2021年の四番は誰だ!?

 

福岡ソフトバンクホークス



“超日替わり打線”を組み、2020年は球団史上最多9人が四番に座った。21年も柔軟性をもたせ戦っていくことも考えられる一方、主砲・柳田悠岐を三番に置いた場合に効率良く得点に結びつけてくれるであろう四番候補に挙げられるのが、Y.グラシアルと栗原陵矢だ。特に栗原は得点圏打率.333と勝負強い打撃で今季ブレークを果たし、来季はレギュラーを狙う成長株。打順関係なく、常に状況に応じた打撃を心掛ける若鷹が四番を任せられるだけの頼もしさを見せれば、ほかの選手たちも刺激を受けるはず。激しい競争が、チームをさらに強くする。

千葉ロッテマリーンズ



 今季は育成や期待の意味をあった安田尚憲の四番起用だが、そもそもことの始まりは、レアードが腰痛で離脱したこと。その主砲が来季は帰ってくるだけに、四番争いも熾烈となるだろう。ただ、レアードは来年で34歳。チームの未来を考えるならば、来年22歳となる安田が実力で四番を勝ち取ることが望まれる。今季は打率.221に加えて6本塁打と長打力も物足りない成績に終わった背番号5は「ホームラン20本を目標に」と長打力アップを掲げている。ソフトバンクとのCS第1戦では相手先発・千賀滉大の甘く入ったフォークを右翼席へ運ぶ先制弾、翌日に第2戦では四番に座って先制適時打と、ポテンシャルの高さは証明済み。調子の波をなくして、不動の四番となれるか。『四番・安田』が固定されれば、チームの未来を明るい。

埼玉西武ライオンズ



 2021年こそ、四番の座を待とうしたい。連覇を果たした19年、そして20年と開幕から四番に座りながら、それを守り抜くことができなかった。特に20年は四番での出場は70試合にとどまり、同打順での成績は打率.224、20本塁打、61打点。さらに右足首ねん挫の影響もあり、シーズンを完走することもできなかった。24本塁打に終わり、3年連続本塁打王の夢は叶わず。「全世界的にいろいろなことがあり、自分の成績もダメだったのできつかったです」。今オフは合気道の道場にも通い、“心”の部分での強化にも励む。やはり、山川の復活なくして、チームのV奪回はあり得ない。

東北楽天ゴールデンイーグルス



 助っ人の顔ぶれは一新となるが、新たに誰が来ようとも、不動の四番はこの男しかいない。浅村栄斗は2020年シーズン、32本塁打を放ち自身初の本塁打王に輝いた。さらにはリーグ2位の104打点。120試合と短縮されながらも、自身3度目となる100打点以上をマークしている。それでもチームは2年ぶりのBクラスとなる4位に低迷し、主砲としての責任を痛感しているのも確かだ。「(2021年シーズンは)自分のことよりも、優勝することだけを考えてやっていきたい。石井一久監督を男にしたいと思っている」と静かに闘志を燃やす。優勝とタイトル獲得、二重の喜びを味わうために準備を進める。

北海道日本ハムファイターズ



 2020年は116試合で四番に座り108打点をマーク、4年ぶり3度目の打点王に輝いた中田翔が21年も不動の四番候補だ。シーズン100打点以上は自身5度目で史上12人目の快挙。本塁打もキャリアハイの31本を放った。安打数105は打点数を下回り打率.239はリーグ22位だったものの、本塁打で58打点を挙げた。2ラン13本、3ラン7本と走者を置いての本塁打は両リーグ最多の20本。ここぞの場面での一発で抜群の勝負強さを見せた。「ホームラン20本、30本、40本よりも100打点。そこは本当にこだわりを持ってやっていきたい」と、チームを勝利に導く一打にこだわる姿勢は変わらないが、1本差で逃した初の本塁打王を手に入れることができれば16年以来の覇権もグッと近づく。

オリックス・バファローズ


オリックス・S.モヤ


 得点力不足が課題のチームだけに、四番の出来がシーズンの行方を左右すると言っても過言ではない。コンスタントに安打を放ちつつ四球も選べて長打力も光る、高い打力を持つ吉田正尚も四番候補の1人だが、出塁率の高さや状況に応じた打撃ができるとあって三番起用が望ましい。その吉田正を生かすも殺すも四番次第となるが、モヤ、ジョーンズ、T-岡田らが候補に挙がる。ただ、ジョーンズは20年に開幕から四番を張るも結果を残せず、T-岡田は下位に置いて打線に厚みを与えたいだけに、モヤの可能性が高そうだ。20年は外国人枠の兼ね合いもあって、出場46試合にとどまったが、12本塁打、45打点。ジョーンズの87試合での12本塁打、43打点とほぼ同じ数字。シーズンを通して安定して打力を発揮できれば、不動の四番となる可能性もある。

写真=BBM
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