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パ・リーグ6球団 どのような戦略? 2021シーズン二番打者予想

 

オリックス・バファローズ



 年明け早々に中嶋聡監督が「タイプ的には三番」としながらも、吉田正尚の「二番起用」のプランも明かしている。「一番が塁に出て二番が送る、でも三番(吉田正)が歩かされる、を繰り返されるとしんどい。だったら二番に置いて、一番が出て一、三塁をつくる、(走者を)かえすという考え方も」と攻撃パターンを模索。吉田正は打順に関して、以前「違うのは1打席目だけ」と語っており、必要以上に意識はしないが、一発長打も秘める昨季の首位打者が“攻撃の起点”となれば、得点力アップは間違いない。問題は吉田正がどの打順を打つにしても、背番号34の前後を打つ打者だ。

福岡ソフトバンクホークス



 チームは昨季、100通りを優に超える“日替わり打線”を組んだこともあって、二番にも10選手が起用された。柳田悠岐を据えて超攻撃型を試したこともあるが、やはり二番打者の役割としては一番とともに強力クリーンアップへのつなぎ役と考えるほうがいいだろう。その意味でハマり役なのは中村晃だ。打つ技術はもちろん、選球眼にも優れ、状況を見て粘ることもできる。昨季後半に光った一番・周東佑京とのコンビネーションも見事。周東の足を見越して、今、この打席で何をするのが一番かをよく分かっている。とはいえ、二番に限らず、どの打順を任せてもしっかり結果を残してくれる頼もしい存在だ。

埼玉西武ライオンズ



 今年も強力“山賊打線”の二番は源田壮亮が務める。2017年からの辻発彦監督政権下ではほぼ「二番・源田」だが、打線のつなぎ役として指揮官からの信頼は厚い。「いかにクリーンアップへチャンスで回せるか。走者がいたら最低限、得点圏へ進める、いなかったら自分が出塁して走る。それだけを考えています」。プロ入り以来、4年連続で打率は2割7分台だったが、さらなる向上を果たすために自主トレから打撃練習に力を入れてきた。昨年はカウント3−2で打率.206(34打数7安打)と苦戦。今年は粘りの打撃を手に入れ、フルカウントから四球を選ぶなどして出塁率を向上させることも誓う。

東北楽天ゴールデンイーグルス



 楽天・石井一久監督は今季、左右打者を交互に並べる「ジグザク打線」の構築を模索している。新たな攻撃的打線として、新外国人のカスティーヨを二番で起用するプランも温めていたが、来日時期が不透明なのが現状。そこで有力候補に挙がるのは、スイッチヒッターの田中和基だ。昨年は二番打者として15試合に出場して打率.322と、打順としての相性は良さそう。また、新人王に輝いた2018年に18本塁打をマークするなど長打力も秘めており、単なるつなぎ役にとどまらない活躍も期待できるだろう。定位置争いが激しい外野の一角をつかむことができれば、面白い存在となりそうだ。

北海道日本ハムファイターズ



 昨季、二番打者としてチーム最多の29試合に出場した平沼翔太が、2021年も二番候補筆頭だろう。昨季11人の選手が座った二番のイスはライバルも多いが、2月9日、「二番・遊撃」でフル出場した阪神戦(宜野座)では3打数2安打2四球。「二番という打順なので、チャンスでクリーンアップにつなげよう」という意識で立った5打席で4度の出塁を決めた。20日、巨人との練習試合(セルラー那覇)にも「二番・遊撃」でスタメン出場し3打数2安打1犠打と役割を果たした。抜群の出塁率を誇る一番打者と勝負強いクリーンアップを擁する日本ハム打線において、二番打者のつなぐ役割は極めて重要。チームの勝利に徹した万能プレーで不動の座を勝ち取りたい。

千葉ロッテマリーンズ



 オーソドックスに手堅くいくか、それとも攻撃的か。まずは一番打者の固定が先決だが、仮に藤原恭大がリードオフマンを務めるとすれば、二番には荻野貴司や角中勝也ら、粘りの打撃ができる選手を置く可能が大。初球から果敢にスイングする藤原だけに、仮に凡打に終わった際、淡泊な攻撃にならぬよう、巧打者を置くはずだ。ただ、一番・荻野となれば、昨季と同様に強打のマーティンを据えて、一気に好機拡大、あわよくば一、二番で1点を奪うオーダーとする可能性もある。二番起用は一番打者次第。今季のキャッチフレーズ『この1点を、つかみ取る。』を体現するオーダーは、いかに。

写真=BBM
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