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涌井秀章は史上2人目の快挙! 複数チームで開幕投手を務めた現役選手は何人いる?

 

過去に西武ロッテ(写真)で開幕投手を務めた涌井


 2021年の公式戦開幕まで1カ月を切ったが、今年の開幕投手は誰になるのか気になるファンもいるだろう。特に田中将大が復帰した楽天は、田中だけでなく復活を期す則本昂大岸孝之など開幕候補は多かったが2月27日、昨季最多勝の涌井秀章に大役を託すことが石井一久GM兼監督から発表された。涌井は西武、ロッテでも開幕投手を経験している選手だ。では、同じように「複数球団で開幕投手を務めた現役投手」は涌井以外に何人いるのだろうか?

現役投手ではわずか3人


 2021年2月24日時点でのNPB所属投手のうち、複数球団で開幕投手を務めた選手は涌井秀章(楽天)、岸孝之(楽天)、西勇輝阪神)の3人のみ。非常に少ない結果となった。

 涌井は西武時代の2008年に初の開幕投手となり、2014年オフに移籍したロッテでも2015年から4年間開幕投手を任された。開幕投手は通算9度経験しており、これは現役最多だ。今回、楽天でも初めて開幕投手に指名されたが、順調に開幕マウンドを踏むことができれば「3チームでの開幕投手」となり、2リーグ制になって以降では、渡辺秀武巨人日本ハム、大洋で開幕投手を経験)以来、史上2人目の快挙となる(1リーグ時代を含めると3例目)。

 涌井と同じく楽天の岸は、西武時代の2013年、2014年と2年連続で開幕投手を経験。楽天移籍後は、2019年に開幕投手を任された。また、昨シーズンに阪神の開幕投手となった西は、オリックス在籍時の2018年に開幕投手に指名されている。

 その他、以下の7選手は過去に所属していたチームで開幕投手を経験。現在の所属チームで開幕投手となれば、上記の3人に次ぐ「複数球団での開幕投手」ということになる。

内海哲也(西武)※巨人在籍時に開幕投手を経験
能見篤史(オリックス)※阪神在籍時に開幕投手を経験
金子千尋(日本ハム)※オリックス在籍時に開幕投手を経験
吉川光夫(西武)※日本ハム在籍時に開幕投手を経験
牧田和久(楽天)※西武在籍時に開幕投手を経験
井納翔一(巨人)※DeNA在籍時に開幕投手を経験
美馬学(ロッテ)※楽天在籍時に開幕投手を経験

 内海や能見といった大ベテランは難しいかもしないが、美馬は昨季チームトップの10勝をマーク。コンディション次第とはなるが、今年「現役4人目の複数球団での開幕投手経験者」となってもおかしくはない。

過去にはいったい何人いる?


 ちなみに、過去の「複数球団での開幕投手経験者」は以下のとおり。
※2リーグ制となって以降の記録者

野村武史(毎日、トンボユニオンズ)
金田正一(国鉄、巨人)
小山正明(大阪、東京オリオンズ)
河村久文(西鉄、広島)※後に河村英文に改名
森中千香良(南海、大洋)
高橋一三(巨人、日本ハム)
・渡辺秀武(巨人、日本ハム、大洋)
山下律夫(大洋、クラウン)
江本孟紀(南海、阪神)
佐伯和司(広島、日本ハム)
高橋直樹(日本ハム、西武)
西本聖(巨人、中日
工藤公康(西武、ダイエー)
星野伸之(オリックス、阪神)
小宮山悟(ロッテ、横浜)
西村龍次ヤクルト、ダイエー)
川崎憲次郎(ヤクルト、中日)
ネイサン・ミンチー(広島、ロッテ)
藤井秀悟(ヤクルト、DeNA)
岩隈久志(近鉄、楽天)
久保康友(ロッテ、DeNA)

 1950年に2リーグ制となって70年で21人。即戦力としてFA移籍してもエースが君臨している場合は開幕投手になるのは難しく、トレードや戦力外からの巻き返しはさらに難しい。そのため、複数球団で開幕投手というのは意外と難しい記録なのだ。

「複数球団で開幕投手」は現役ではわずか3人と少ないことが分かった。この3人のうち、楽天の涌井は2リーグ制となって以降はひとりしかいない「3チームでの開幕投手」になる可能性が高まった。涌井の開幕マウンドに注目だ。

文=中田ボンベ@dcp 写真=BBM
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