いよいよ開幕が迫ってきた。昨年3位と8年ぶりのAクラス入りを果たした中日にとって、今年は真価が問われるシーズンとなる。優勝争いに加わることができれば暗黒期を脱出したと見ていい。だが、以前のようにBクラスに低迷するようであれば再び暗黒期に逆戻りの可能性もある。与田剛監督も3年契約の最終年と勝負の年となる。
中日の開幕カードは
広島(マツダ広島)。与田監督は開幕投手に
福谷浩司を指名した。本来ならエースの
大野雄大だが、福谷は昨年の広島戦で3試合に登板し、2勝0敗、防御率0.47と抜群の相性を誇る。大野雄は満を持して次カードの
巨人戦に回ることになる。大野雄はナゴヤドームでの勝率が高く、4月の対戦カードを見ても賢明な策だろう。
気になる開幕ローテーションだが、福谷のあとを受けて第2戦は
柳裕也、第3戦は
小笠原慎之介が有力。次の本拠地開幕戦となる巨人戦は大野雄、
勝野昌慶、
松葉貴大となりそうだ。勝野はオープン戦で結果を残せなかったが、期待を込めての抜てき。
阿波野秀幸投手コーチも「この6人でスタートしたい」と明言した。
優先順位を付けるなら、大野雄、福谷、柳、小笠原、松葉、勝野だが、その後ろから多くの投手がチャンスを待っている。
梅津晃大、
清水達也、
岡野祐一郎、
笠原祥太郎、
山本拓実。やがて
ロドリゲスが戻ってくると考えれば、シーズンを通して先発陣の目処は立つ。大野雄に昨年のような活躍を望むのは酷だから、福谷、柳を中心に層の厚さでカバーしたい。
開幕スタメンをポジションで見ると、未確定なのはレフトのみ。ライトは復調した
平田良介で決まりだろう。レフトは
根尾昂、
福留孝介の争いとなるが、開幕スタメンを勝ち取るのはおそらく根尾ではないか。福留は代打の切り札としてベンチに置いておきたい。
一番は
大島洋平として、問題は二番に誰を置くか。足を使える
京田陽太か。チーム打撃ができる平田良介か。あるいは右打ちに定評のある
阿部寿樹か。この3人のうちの誰かが二番を務めることになりそうだ。七番は捕手の
木下拓哉、八番は根尾。七、八番は逆もあるが、打力の高い木下の六番起用も考えられる。
四番は
ビシエドとして、
高橋周平を三番か五番、どちらに置くか。もう一人のクリーンアップは阿部か平田になるが、そう考えるとやはり二番打者がキーマンになることが分かる。理想は足のある京田。打撃力、あるいはつなぎ役として不安が残るなら、やはり二番に平田、クリーンアップに阿部を置くのが順当だろう。あるいは二番・阿部で昨年と違う変化を出すか。
一番、四番、九番以外はフタを開けてみないと分からない。ただし、そこに入る6人の名は決まっているというところか。誰を何番に置くのか。開幕スタメンの発表を楽しみに待ちたい。
最後に昨年の開幕ローテーションと開幕スタメンを挙げておこう。開幕ローテは大野雄−
吉見一起−梅津−柳−山本−岡野。開幕スタメンは(中)大島、(右)平田、(左)
アルモンテ、(一)ビシエド、(三)高橋周、(二)阿部、(遊)京田、(捕)
加藤匠馬、(投)大野雄だった。
写真=BBM