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阪神・佐藤輝明が最も力を発揮できる「ポジションと打順」は?

 

「タイプ的には三番」


開幕カードで早くも本塁打が飛び出した佐藤輝


 もはや新人の域を超えている。阪神のドラフト1位・佐藤輝明が3月26日の開幕戦・ヤクルト戦(神宮)で「六番・右翼」でプロデビューを飾ると、2回に先制の左犠飛を放つ。安打は出なかったが、翌27日の同戦でド派手に魅せた。初回に左腕・田口麗斗のスライダーをバックスクリーンに運ぶ衝撃のプロ初安打プロ初アーチ。推定飛距離135メートル弾に球場からどよめきが起きた。三塁ベンチ前でナインから祝福を受けると、カメラに向けて人差し指で指す。大好きなアイドルグループ・ももいろクローバーZの「Zポーズ」も堂々としたものだった。

 近大で二岡智宏の記録を塗り替えるリーグ通算14本塁打を放ち、4球団がドラフト1位で競合したスラッガーだったが、他球団のスカウト陣は「潜在能力はすごいが、まだまだ粗さが目立つ。1年目から即戦力というタイプでなく、対応するのに少し時間がかかると思う。2、3年で大化けするタイプ」という評価が多かった。12球団トップのオープン戦6本塁打を放ったが、相手球団も佐藤の打撃を分析するため、抑えるのを度外視してどのコースが得意なのか「餌巻き」をした側面もある。だが、開幕3連戦を見る限り、その懸念も取り越し苦労に終わりそうだ。内角攻めや緩急に対してもきっちり対応し、ボール球に手を出さずにしっかり四球を選んでいる。

 攻守走3拍子そろったプレースタイルで、将来的には「トリプルスリー」も十分に狙える。走者を置いた場面で回ってくる局面が多い六番で起用されているが、他球団のスコアラーはこう分析する。

「タイプ的には三番でしょう。糸井嘉男に近いけど、打球に角度をつけるのがうまいので本塁打はもっと打てる。二番でも怖いですね。近本光司との一、二番コンビで初回から大量得点を狙える。いずれにしても阪神打線の中で警戒しなければいけない選手です」

 本職は三塁だが、不動の四番を張る大山悠輔がいるため、外野で起用されている。プロ野球OBからは「華がある選手なので三塁で起用してほしい」「イチロー松井秀喜など外野でもスーパースターがいる。佐藤も外野でスケールの大きい選手になってほしい」と守るポジションについてもさまざまな意見が飛び交う。打順や守備位置が話題になるのは、注目度が高い証し。野球解説者の岡田彰布氏は週刊ベースボールの連載コラム『そらそうよ』で、「どこまで打つんや!! みんながあ然とする。右に左に、軽々とオーバーフェンス。このパワーはどうよ。こんなん、ルーキーやないわね。シーズンに入って、何本打つのか? みんなワクワクしている」と期待を込めていたが、想像を超えるパフォーマンスを魅せる佐藤の一挙手一投足に要注目だ。

写真=BBM
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