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藤平尚真、安楽智大…楽天黄金先発陣の陰で奮起が期待される「ドラ1右腕」たち

 

田中将は先発回避



 楽天の田中将大が、先発予定だった3月27日の開幕2戦目・日本ハム戦(楽天生命パーク)の登板を回避。25日にふくらはぎ付近に軽い張りを訴え、実戦復帰には3週間かかる模様だ。

 8年ぶりの日本球界復帰で注目が集まる中、オープン戦3試合に登板で防御率2.25。順調な調整ぶりだったが思わぬ形で戦線離脱。開幕2戦目は昨年7月に巨人からトレードで加入した高田萌生が代役に抜擢されたが、2回2/3で6安打4失点と試合をつくれず敗戦投手となった。

 スポーツ紙の楽天担当記者は「田中は先発を2回飛ばすぐらいで軽度の張りと聞いているが再発で長期離脱は避けたい。ファームでの登板も必要になってくるし、一軍復帰は早くても1カ月かかるのではないか」と推測する。開幕3戦目にドラフト1位左腕・早川隆久が6回4安打無失点の快投でプロ初登板初勝利を飾ったが、奮起が求められるのは生え抜きの若手投手たちだ。

 楽天の先発ローテーションは田中将、涌井秀章岸孝之則本昂大、早川隆久、プロ2年目の瀧中瞭太で形成している。田中将、涌井、岸、則本の4投手で通算538勝と実績は12球団でも群を抜く豪華な陣容だが、懸念されるのが選手層の薄さだ。14日にNHKで放送された「サンデースポーツ」の「パ・リーグ監督座談会」で石井一久監督も「実績を重ねているということは年齢も高くなっているということ。チーム的には将来を担う若い選手がしっかり(先発)ローテーションで回っていくことが大事だと思います」と語っている。

楽天・藤平尚真


 将来のエースとして嘱望されながら伸び悩んでいるのが、17年ドラフト1位右腕・藤平尚真だ。名門・横浜高で1年秋からエースとなり、3年夏に甲子園出場した。高卒1年目は登板日にチームの大型連敗を2度止めたことから「連敗ストッパー」と評価される働きぶりで、3勝4敗、防御率2.28。しかし、2年目が4勝7敗、19、20年は2年連続未勝利とファーム暮らしが長くなっている。昨年は7月26日のオリックス戦(楽天生命パーク)に先発したが、初回先頭の西村凌に二塁打を打たれ、続く大城の頭部へ死球で危険球退場。わずか7球で降板した試合が唯一の一軍登板だった。今年のドラフト1位・早川とは同学年で危機感もある。意地を見せたいとところだ。

楽天・安樂智大


 15年ドラフト1位の安楽智大も勝負の年だ。済美高では2年春のセンバツで準優勝。5試合先発登板して計772球投げた鉄腕ぶりが話題になった。最速157キロの直球でスケールの大きい投球が持ち味だったが、楽天に入団以降は度重なる故障で一軍定着できていない。それでも、6年目の昨季は自己最多の27試合登板で1勝0敗5ホールド、防御率3.48と救援で活路を見出した。今年は開幕2戦目の日本ハム戦で4回途中から救援で初登板し、2回1/3で3安打1失点。5奪三振と直球には威力があった。楽天の救援陣は先発に比べて不安が残るだけに、安楽の活躍が大きなカギを握る。

写真=BBM
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