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対戦がひと回り! セ・リーグ6球団“超序盤戦”MVPはこの選手だ!!

 

 4月11日でセ・リーグ6球団は14〜15試合を消化。対戦もひと回りしたが果たして各球団でも最もチームをけん引した存在は誰か。“超序盤戦”のMVPを選出した。
記録は4月12日現在

1位・阪神タイガース



 15試合が終わり11勝4敗で、セ・リーグの首位に立つ阪神。すべての試合で先発陣が5回以上を投げるなど、チーム防御率2.40でリーグ1位タイと投手陣の力によるところも多いが、打撃で打線を引っ張っている五番・サンズの存在感も大きい。打率は.292と3割には届いていないが、リーグ1位タイの5本塁打に同1位の15打点をたたきだしている。さらに得点圏打率.429と勝負強さを発揮しているのが心強い。4月10日のDeNA戦(横浜)では1対0という緊迫した状況で迎えた9回に相手を突き放す2ランを放つなど、投手陣にも安心感を与える打撃を見せた。四番の大山悠輔がいまだに0本塁打で、三番のマルテが打率.220と低迷する中で、主軸としてチームを鼓舞している。


2位・広島東洋カープ



 開幕から5球団との対戦一巡を8勝6敗1分けと好スタートを切った広島にあっては、打では菊池涼介、投では森下暢仁の2人が甲乙つけがたい働きだ。菊池涼は開幕戦の3安打から始まって、4月11日まで15試合連続安打。うち、マルチ安打は8試合、3安打猛打賞も4度あって、打率はリーグトップの.415だ。スタートは例年どおり打順は二番だったが、4月7日のヤクルト戦(神宮)からは一番に入って打線をけん引している。一方、森下は週頭の火曜日に先発、3月30日の阪神戦(マツダ広島)に6回被安打1で1勝目を挙げると、4月6日のヤクルト戦(神宮)では6安打されながらも9回を完封。ここまで15イニングで被安打7、失点ゼロの圧倒的安定感だ。

3位・読売ジャイアンツ



 新型コロナウイルスの陽性判定を受け、4月4日以降、丸佳浩中島宏之、Z.ウィーラー若林晃弘の4選手を欠く打線はなかなか機能しない。11日の広島戦(マツダ広島)こそ9得点の大勝で球団ワースト新記録となる13試合連続3得点以下を回避したが、15試合を終えて6勝6敗3分けの勝率は5割と、昨季王者はギリギリの戦いを続けている。そのような状況下で、好投を続けているのが今村信貴だ。開幕以降、日曜日の先発を任されてここまで3戦2勝(3QS)。11日の広島戦では、9回142球の好投で2018年以来の完封勝利を飾っている。勝敗のつかなかった今季初登板の3月28日のDeNA戦(東京ドーム)も7回1失点。ここまで防御率0.78の安定感で先発陣を支えている。

4位・中日ドラゴンズ



 開幕から14試合、他球団との対戦がひと回りし、チームは5勝6敗3分けの成績。相変わらずの得点力不足で投手陣の奮闘が光るが、その中でも祖父江大輔の活躍が目立つ。本来のポジションは中継ぎだが、抑えのR.マルティネスの調整不足により、開幕から代役を任されている。ここまで9試合に登板して5セーブ。チームの勝利はすべて祖父江が締めたものであり、早くも5球団からセーブを挙げている。それだけではない。3分けにもすべて絡んでいるから、まさに祖父江さまさまだ。4月8日のDeNA戦(バンテリン)で敗戦投手となったが、失策が絡む不運もあった。それでも防御率は1.04と安定感抜群。ここまでチームは負け越しているものの、祖父江がいなかったらと思うとゾっとする。

4位・東京ヤクルトスワローズ


ヤクルト・村上宗隆(左は山田哲人


 新型コロナウイルスの影響で青木宣親らが離脱した中、チームを牽引している村上宗隆がふさわしいだろう。開幕直後は苦しんだが、しっかり修正。1割台だった打率は.289まで上げ、リーグトップの15四球で出塁率は.467だ。リーグトップタイの5本塁打、同3位の12打点で、目標である三冠王にも近づいている。本拠地初勝利を決めた4月7日の広島戦(神宮)では、山崎晃大朗の勝ち越し適時打に両手を突き上げて喜ぶ姿がテレビ中継に抜かれ、話題になった。同11日の中日戦(ナゴヤドーム)でも、9回にヘッドスライディングで内野安打をもぎ取る執念を見せた。バットだけでなく、姿勢や声でもチームを引っ張る四番が、ヤクルトの超序盤戦MVPだ。

6位・横浜DeNAベイスターズ


DeNA・牧秀悟


 12球団最速で10敗に到達。15試合を終えて3勝10敗2分けと苦しい戦いを強いられているベイスターズ。苦しい状況の中で、打線をけん引するのがドラフト2位ルーキーの牧秀悟だ。「三番・一塁」で開幕スタメンをもぎ取ると、ここまで猛打賞4度と大暴れ。4月11日の阪神戦(横浜)では、3点を追う4回に右翼ポール直撃の4号ソロを放ち、味方を鼓舞した。打率.383(リーグ3位)、本塁打4(同3位タイ)、打点14(同2位)はいずれもチームトップ。ベンチ前で声を張り上げて戦況を見つめる姿は、とてもルーキーとは思えない……。

写真=BBM
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