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千賀、東浜離脱の緊急事態も、ソフトバンクが「優勝の大本命」の理由とは

 

ファームにも先発候補がそろう


今季初登板の4月6日、日本ハム戦(札幌ドーム)で好投を続けていた千賀だが……


 ソフトバンクの主力投手が相次いで戦線離脱する緊急事態に見舞われている。

 絶対的エース・千賀滉大は今季初登板となった今月6日の日本ハム戦(札幌ドーム)でアクシデントに見舞われた。6回途中まで3安打無失点の好投を続けていたが、6回一死の場面で渡辺諒の顔面付近を襲った打球を捕球した際、マウンド上で左足をひねった体勢で倒れると立ち上がれず、担架に乗せられて降板した。福岡県久留米市内の病院で検査を受けた結果、「左足首の靱帯損傷」と診断を受けた。

 右肩の不調で出遅れていた東浜巨も2日のウエスタン・中日戦(タマスタ筑後)に登板した際、初回に投手強襲の打球が左足首を直撃。その場に倒れ込んだ。自力でベンチに下がったがそのまま降板した。大事には至らず、16日のウエスタン・中日戦(ナゴヤ)で3回無安打無失点3奪三振ときっちり投げたが、長いイニングを投げるスタミナを含めて一軍昇格にはもう少し時間を要する状況だ。

 千賀は昨季11勝6敗、防御率2.16で最多勝、最優秀防御率を獲得。東浜も9勝2敗、防御率2.34と抜群の安定感で稼働した。千賀、東浜の離脱に加えて今季は高橋礼も1勝1敗、防御率4.37と制球難で安定感を欠いている。他のチームなら先発ローテーションが崩壊の危機だが、他球団のスコアラーは「ソフトバンクが最も手強いことには変わらない」と強調する。

「エース級の投手たちがそろっていますから。石川柊太武田翔太和田毅笠谷俊介に加え、ファームでも実績がある二保旭大竹耕太郎、さらに日本ハムから移籍した新外国人のマルティネスもファームで投げているので、4月下旬には一軍に昇格するでしょう。救援の松本裕樹を11日の楽天戦(楽天生命パーク)で先発に抜擢して4回無失点に抑えましたが、救援陣もそろっているので短いイニングでつないでいく『ブルペンデー』みたいな起用法もできる。ファームで好投を続けていたスチュワートが来日3年目で一軍昇格しましたが、球の質が非常に良い。中継ぎで結果を出せば先発に回る可能性もあります。誰が投げても先発できっちり試合を作る。優勝候補の大本命は変わらないと思います」。

質・量ともに他球団がうらやむ先発陣


4月17日の西武戦(メットライフ)で一軍デビューを果たしたカーター・スチュワート・ジュニア。18年のMLBドラフトでブレーブスから1巡目(全体8位)で指名された逸材だ


 4年連続日本一と黄金時代のソフトバンクは1人の投手に依存していないチームづくりが大きな強みだ。楽天は田中将大涌井秀章岸孝之則本昂大、ドラフト1位の左腕・早川隆久と先発ローテーションに豪華な名前が並ぶが、他の投手が心許ない。田中が「右ヒラメ筋損傷」で出遅れたが、この「5本柱」に故障者が相次ぐと、屋台骨が揺らいでしまう恐れがある。

 好調の西武にも同じことが言える。エースとして期待される高橋光成、救援から先発に配置転換された平井克典がともに開幕3連勝を飾り、今井達也も昨年に比べて安定感が増したが、4番手以降の先発陣に不安が残る。「山賊打線」は山川穂高が左太もも裏肉離れ、栗山巧が下肢の張り、外崎修汰が死球による左腓骨骨折、木村文紀が腰痛と主力が故障で大量離脱しているだけに、投手陣がいかに踏ん張れるかがカギを握る。

 戦前の順位予想では、大多数の野球評論家がソフトバンクをリーグ優勝の大本命に挙げていた。質・量ともに他球団がうらやむ投手陣の中で、千賀の穴を埋める救世主が現れるか。

写真=BBM
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