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輝く舞台は奪われたが「何かできることはないか」 形は違っても野球部の力になる東京六大学応援団(部)

 

緊急事態宣言を受けて無観客開催


緊急事態宣言を受け、4月25日以降、東京六大学野球リーグ戦は「無観客開催」。5月1日には、東京六大学応援団連盟が手配したエール交換の映像が試合前後に流れた


 東京六大学野球春季リーグ戦は政府からの緊急事態宣言の発出を受けて、前週(第3週2日目)の4月25日から無観客開催(第4週=5月1、2日、第5週=同8、9日を含む)となっている。

 東京六大学の名物と言えば「応援」である。従来は一、三塁の応援席で華やかな応援合戦が繰り広げられていたが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、様変わりした。

 8月開催の春季リーグ戦は入場者が上限3000人で、応援活動は中止。秋は一般入場者と接触する可能性がある応援席では実施せず、左翼席と右翼席の一角にスペースを設け、100人以内でスタートした。開幕時は全体の入場者が上限5000人であったが、第5週以降の1万人(第8週は1万2000人)への拡大を受けて、第7週以降は150人以内で応援活動が展開された。感染症予防対策を徹底した上で、リーダー部指揮の下で、チアリーディング部と吹奏楽部の応援が復活したのである。

 今春のリーグ戦も昨秋の運用がほぼ継続されたが、緊急事態宣言を受けて、第3週1日目(4月24日)を最後に無観客開催のため、応援活動も中止。東京六大学応援団連盟では「何かできることはないか」と模索。昨春と同様、試合前後の「エール交換」に代わる動画を手配した。準備の都合上、25日は間に合わなかったが、30日までに手配でき、第4週1日目(5月1日)から神宮で流れるようになった。

 かつて応援席で盛り上がっていた光景が、映し出された。時間がない中ではあったと思われるが、各校とも工夫を凝らして、制作している努力が伝わってきた。応援団(部)にとって、神宮球場での応援こそが、日ごろからの練習の成果を披露する場。現状、輝くステージは奪われているが、形は違っても、野球部の力になっていることは間違いない。

文=岡本朋祐 写真=田中慎一郎
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