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佐藤輝明も可能性あり!? 過去に「本塁打王&三振王」に輝いたスラッガーは何人いる?

 

ここまで本塁打、三振数でリーグ1位を走る阪神の新人・佐藤輝明


 5月9日時点で「リーグ1位タイの10本塁打」と活躍している阪神の佐藤輝明。本塁打の数もルーキーとは思えない数だが、三振数も実は48三振とリーグぶっちぎり。強打者は三振数が多くなるものだが、この調子だと年間200三振に迫るハイペースだ。本塁打王だけでなく三振王になる可能性も高い。では、過去に「シーズン最多三振と最多本塁打の両方を記録した選手」は何人いるのだろうか?

中村剛也は本塁打王&三振王を4度記録


 1リーグ時代を含め、過去にシーズン最多三振を記録した本塁打王は以下の20人。
※( )内は当時の所属チーム

大下弘(セネタース)
1946年:20本塁打、80三振

町田行彦(国鉄)
1955年:31本塁打、98三振

野村克也(南海)
1957年:30本塁打、87三振
1963年:52本塁打、112三振

中田昌宏(阪急)
1961年:29本塁打、121三振

クラレンス・ジョーンズ(近鉄)
1974年:38本塁打、112三振

ボビー・ミッチェル(日本ハム)
1978年:36本塁打、122三振

門田博光(南海)
1983年:40本塁打、86三振

宇野勝(中日)
1984年:37本塁打、117三振

広島・ランス


リック・ランセロッティ(広島)
1987年:39本塁打、114三振

秋山幸二(西武)
1987年:43本塁打、102三振

ラルフ・ブライアント(近鉄)
1989年:49本塁打、187三振
1993年:42本塁打、204三振
1994年:35本塁打、153三振

オレステス・デストラーデ(西武)
1991年:39本塁打、119三振

タイロン・ウッズ(横浜)
2003年:40本塁打、132三振

タフィ・ローズ(近鉄)
2003年:51本塁打、137三振

西武・中村剛也


●中村剛也(西武)
2008年:46本塁打、162三振
2009年:48本塁打、154三振
2011年:48本塁打、134三振
2015年:37本塁打、172三振

トニ・ブランコ(中日)
2009年:39本塁打、157三振

ウラディミール・バレンティン(ヤクルト)
2011年:31本塁打、131三振

ブラッド・エルドレッド(広島)
2014年:37本塁打、169三振

エルネスト・メヒア(西武)
2014年:34本塁打、156三振

山川穂高(西武)
2018年:47本塁打、138三振

 1リーグ時代を含め、日本野球で初めて本塁打王&三振王の「二冠」を獲得したのがセネタース時代の大下弘だ。本塁打狙いのバッティングで20本塁打と当時としては驚異的な数字を残したが、三振の数も80と群を抜いていた。

 2リーグ制になった1950年以降では、1955年に国鉄の町田行彦、1957年に南海の野村克也が最多本塁打&最多三振を記録。1961年には阪急の中田昌宏がチーム総本塁打の約半分近い29本塁打を放つ一方で、リーグ最多の121三振をマークした。翌々年の1963年には野村が2度目の本塁打王&三振王になっている。

 1970年代に入ると、クラレンス・ジョーンズとボビー・ミッチェルの助っ人2人が本塁打王と三振王を同時に獲得。特にボビー・ミッチェルは長打か三振かという極端なバッターで、日本ハムに在籍した4年間すべてでリーグ最多三振を記録した。

 1980年代に入ると、数々の強力なホームランバッターが本塁打王&三振王の「二冠」を記録している。その中でもひと際目立つのがラルフ・ブライアント。1989年だけでなく、1993年、1994年と3度の本塁打王&三振王になっている。1993年に記録したシーズン204三振は、今も破られていないNPB記録だ。また、ブライアントは773試合で通算1186もの三振をしており、通算三振率は35.6%。これは通算1000三振以上の打者では歴代最高の数字だ。

 2000年以降では8人の「二冠王」が誕生しているが、西武の中村剛也はブライアントをも超える4度の本塁打王&三振王を記録している。歴代16位となる426本塁打(2021年5月7日時点)をマークしている現役最強のスラッガーだが、三振数も多く、通算1825三振は歴代3位。歴代トップの清原和博(1955三振)を超えるペースだ。

 直近の本塁打王&三振王は西武の山川穂高で、2018年に47本塁打、138三振をマークした。昨季は足首の負傷で成績が落ち込み、今季も開幕早々ケガで離脱して出遅れた。5月7日のソフトバンク戦(PayPAYドーム)から復帰したが、これからの追い上げを期待したい。

今季の本塁打王&三振王候補は?


ヤクルト・村上宗隆


 21人目の「本塁打王&三振王」になる可能性が高いのが、まずはヤクルトの村上宗隆。入団2年目に19歳ながらリーグ3位の36本塁打を放った若き大砲で、飛躍が期待された昨季もリーグ2位の28本塁打を記録した。スラッガーらしく三振も多く、過去2年間はリーグ最多三振をマーク。今季も現在までにリーグ1位タイの10本塁打、リーグ3位の33三振で、念願の本塁打王と同時に三振王になる可能性も高い。

 阪神の佐藤とDeNA牧秀悟のルーキーコンビにも変則二冠の可能性がある。佐藤はここまで47三振で、これはブライアントの204三振に迫るハイペースだ。1年目のルーキーが三振のNPB記録を更新となるか注目だ。また、牧も佐藤に次ぐリーグ2位の34三振を記録。本塁打も佐藤が10本、牧が7本とリーグ上位のため、1年目の選手ながら、どちらかが本塁打と三振の2つの部門で頂点を極めるかもしれない。

 パ・リーグでは、ロッテのレオニス・マーティンがリーグトップの10本塁打、リーグ2位の41三振と、「変則二冠」を狙える位置につけている。ほかには、6本塁打(リーグ3位タイ)、38三振(リーグ3位)のソフトバンク・柳田悠岐も可能性がある選手だ。

 過去には20人いる「本塁打王&三振王」だが、今年は2018年の山川穂高以来となる変則の二冠王は現れるのか。パワー自慢の強打者は、本塁打の数だけでなく、ぜひ「三振の数」にも注目してもらいたい。

文=中田ボンベ@dcp 写真=BBM
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