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非常事態の広島を新外国人が救う!? 他球団から「クロンはスタメンのほうが怖い」の指摘が

 

コロナ感染で主力が大量離脱


徐々に日本球界に対応している姿を見せるクロン


 広島が緊急事態に見舞われている。新型コロナウイルスの感染拡大により、5月17日に発熱症状のあった菊池涼介がPCR検査を受け、陽性が判明したのが事の始まりだった。この結果を受け、一軍の首脳陣、選手、球団スタッフ計74人にPCR検査を実施し、新たに小園海斗、正随優弥の2人も陽性反応が出た。3選手以外は陰性反応だったが、球団の判断で磯村嘉孝石原貴規松山竜平大盛穂西川龍馬の選手5人に加え、河田雄祐ヘッドコーチ、朝山東洋打撃コーチ、トレーナー1人を自宅待機とした。さらに、坂倉将吾塹江敦哉も19日の巨人戦(東京ドーム)のベンチ入りメンバーから外す処置を取った。

 しかし、コロナ感染はこれで終わらなかった。球団は20日に鈴木誠也長野久義羽月隆太郎、自宅待機していた大盛、石原、朝山打撃コーチ、そしてスタッフ1人の計7人が陽性判定を受けたことを発表した。

 主力を含めた10選手がコロナ感染の非常事態。球団はNPBと協議した結果、感染拡大を懸念し、21日からの阪神3連戦(マツダ広島)の開催中止を決めた。さらに、同日に球団が首脳陣、選手など76人を対象にPCR検査を行ったところ、倉義和バッテリーコーチに新たに陽性反応が出たことを発表している。

 今月25日から交流戦が始まる。試合が予定どおり開催されるならば、広島は主力を欠いて厳しい戦いが強いられる。菊池、鈴木ら主力だけでなく、小園、羽月とレギュラーをつかみかけている成長株の戦線離脱はあまりにも痛いが、ファームから昇格してきた選手たちを含めて全員野球で戦い抜くしかない。

 打線の核として期待されるのが、新外国人のクロンだ。規格外の飛距離を誇る長距離砲は今季30試合出場で打率.236、4本塁打、11打点。「五番・一塁」でスタメン出場した19日の巨人戦(東京ドーム)で井納翔一から来日初の満塁アーチを左中間席に叩き込んでいる。

第2のエルドレッドに


 松山竜平と一塁のポジションで併用する形で起用されているが、パ・リーグのスコアラーは「クロンはオープン戦のときに比べるとかなり良くなっている。ボール球になる変化球を振らなくなったし、日本野球になじんできたなと感じますね。井納から打った一発のように甘く入ったらスタンドに運ばれる怖さがある。広島は巧打者が多いけど、長距離砲タイプはあまりいない。個人的にはクロンがスタメンに入ったほうが怖いですね」と警戒心を強める。

 広島にNPB通算133本塁打をマークしたブラッド・エルドレッドがいたのは記憶に新しいだろう。豪快なスイングで三振が多かったが、本塁打を量産すると手がつけられなかった。2014年には打率.260、37本塁打、104打点で本塁打王を獲得。169三振はリーグワーストだったが、チームに欠かせない長距離砲だった。クロンも「第2のエルドレッド」になる可能性は十分に秘めている。

 オープン戦では打率.063と苦しみ、4月5日に上半身のコンディション不良で登録抹消。春先は波に乗れなかったが、真面目な性格で鈴木誠に助言を求めるなど日本で成功したい思いは誰よりも強い。主力が大量離脱の危機。クロンが救えるか。

写真=BBM
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