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“内野の要”ショートは機能しているか? パ・リーグ6球団「遊撃手」事情

 

守備の花形であるショート。内野の要である存在がしっかり仕事を果たしているのか。パ・リーグ6球団の「遊撃手事情」を見ていく。
記録は6月11日現在

東北楽天ゴールデンイーグルス



 規定以上の他球団遊撃手4人と守備率を比較すると最も悪く、ここまで7失策を犯している小深田大翔。特に送球ミスが多いという印象だ。それでも守備機会は5人の中で最も多く、これはチーム内で遊撃のポジションがっちりつかんでいる証しでもある。交流戦前は打率.214と打撃低調も対セで調子を上げ、5カード目までに7試合でマルチ安打を記録。今では昨季と同様の「一番・小深田、二番・鈴木大地」がすっかり定着している。このまま好調を続け、「一番・遊撃」の座を死守したいところだ。

福岡ソフトバンクホークス



 6月11日現在、55試合(先発では51試合)に出場する今宮健太が、このまま大きな離脱なくシーズンを終えられるか。チームにとっては連覇に向けてのポイントの一つであることは間違いない。高い守備能力でチームに欠かせない存在となり、ゴールデン・グラブ賞も2013年から5年連続獲得。しかし、ここ数年はケガで苦しみ、輝きは失われつつあった。そんな今宮を見て、首脳陣もあらためて起用法に気を配っている。1〜2週間に数試合、あえて先発を外して“休養”させるのは、筋力アップのため。そして、それは1年間一軍に居続けるためでもある。新たなスタイルで、最後の最後までチームの力であり続ける。

千葉ロッテマリーンズ



 打撃の状態が上がらず、開幕スタメンは鳥谷敬に譲り、新助っ人・エチェバリアの加入で出場機会を減らしたが、エチェバリアが5月31日に離脱して以降、遊撃の位置に就いているのが藤岡裕大だ。もとは投手とあって肩の強さは大きな武器。二塁・中村奨吾との連係プレーも阿吽の呼吸で併殺を完成させている。不動のレギュラーになるには、打撃の向上だ。しぶとく安打を放ちつつ、ときに一発を放つなど、秘めるポテンシャルは十分。ドラ3ルーキーの小川龍成が今後台頭してくる可能性もあるだけに、不動の正遊撃手となるために、ライバル離脱中の今こそ結果を残したいところだ。

オリックス・バファローズ



 完全固定ではないものの、起用を続けて成長を促しているのが高卒2年目・19歳の紅林弘太郎だ。開幕スタメンを果たし、ここまで58試合に出場。肩の強さ、柔らかいハンドリングも武器の遊撃守備では軽快な動きを見せつつ、走者を置いた場面では判断ミスなど課題も残る。それでも身長186センチの“大型遊撃手”を起用し続けるのは、打撃面も大きい。19歳とは思えないパンチ力で、4本塁打を放ち、6月1日の阪神戦では甲子園のバックスクリーンに決勝2ランを放っている。打率こそ2割台前半と低調も、対戦を重ねるたびに対応力が上がっているのも期待をふくらませる。低めのボール球の見極めなど課題は多いも、粗削りな部分こそが伸びしろ。不動の遊撃手へ成長中だ。

埼玉西武ライオンズ



 今季も開幕から3年連続ゴールデン・グラブ賞を獲得している源田壮亮が遊撃を守り、堅守を発揮して内野陣を引き締めてきたが、5月27日に新型コロナウイルスの検査で陽性と判定されて戦線離脱。源田が不在の間は主に7年目の山田遥楓が遊撃を守った。山田はそれまで外崎修汰山野辺翔がケガで一軍から名前が消えたことを受けて、二塁で出場を続けてきたが、遊撃でも懸命に主力不在の穴を埋めた。チームを鼓舞するムードメーカーでもある。源田は8日にファームの練習に合流。一軍復帰に向けて調整を進めていく。

北海道日本ハムファイターズ



 今季の正遊撃手のポジションは石井一成が任されている。59試合を終了した時点で45試合にスタメン出場とほぼ固定され、守備率(.988)も安定している。昨季は堅守の中島卓也と勢いのある平沼翔太が併用されていたが、今季の中島はルーキー・伊藤大海の白星を消す痛恨の失策を犯すなど精彩を欠き、コロナによる登録抹消以来、一軍復帰を果たしていない。平沼は今季、主に三塁手として出場している。ほかには2年目の上野響平が2試合で遊撃スタメン出場。守備力はチームトップレベルで首脳陣にも高く評価されており、打撃を磨けば正遊撃手争いに参戦できる。守備固めなどで8試合に出場する谷内亮太の安定感は遊撃でも抜群だ。

写真=BBM
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