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【一番採点】巨人80点、阪神90点、ヤクルト85点…セ・リーグ6球団「一番打者」の評価は?

 

先頭打者として打線を牽引する一番打者。チームに勢いを与える切り込み隊長は、その役割を果たしているのか。セ・リーグ6球団の一番打者を100点満点で採点した。
※記録は6月20日現在

読売ジャイアンツ



巨人 80点

 梶谷隆幸の故障もあって、一番起用される松原聖弥の、この打順での先発出場数がついに梶谷を超えた。淡白な打席が目につく場面があるなど課題も多いが、それでも一番で31試合に先発出場し、打率.302、5本塁打、14打点と残している数字は立派なもの。積極的な打撃が流れをもたらすことも多い。6月20日の阪神戦(甲子園)では、0対0と膠着状態の6回に値千金の2ランを放って勝利に貢献した。梶谷が間もなく復帰するが、一時の不調から最終的に一番で29試合に先発出場、打率.306、2本塁打、11打点まで戻したベテランと、育成出身の26歳のどちらを一番に据えるのか。原辰徳監督の決断に注目が集まっている。

阪神タイガース


阪神・近本光司


阪神 90点

 開幕から約1カ月、打撃不振であったが、チームは首位に。そうこうしている間に打撃の調子を取り戻したのが“不動の一番”近本光司だ。2年連続の盗塁王で、2年連続のチーム最多安打男。気が付けば今季もチーム最多の71安打を放っている。今季は「100得点」を目指しているが、ここまで44得点。打率は.280と少し物足りなさがあるが、積極的に打っていき出塁するタイプだけに、調子がいいときはチームが勢いに乗りやすい。盗塁は二番を打つ中野拓夢と1個差の12個。リーグ2、3位の盗塁数を誇る一、二番コンビで、相手バッテリーにプレッシャーを掛け続ける。今後、近本の打率が3割に乗るようだと、猛虎打線は手が付けられなくかもしれない。

東京ヤクルトスワローズ



ヤクルト 85点

 最も一番打者として多く出場しているのは山崎晃大朗だが(32試合)、最近は塩見泰隆が入ることが多い。6月8日のロッテ戦(ZOZOマリン)では先頭打者弾を放つなど、長打もあるアグレッシブな一番打者として打線の斬り込み役を全うしている。打率.290はリーグ8位の数字で、規定打席に到達している中ではチーム一の高打率。14盗塁もチーム最多だ。後ろには青木宣親山田哲人村上宗隆といった好打者が並ぶだけに、出塁されると相手チームにとっては非常に厄介な存在。これからも、ダイヤモンドをかき回す活躍に期待したい。

中日ドラゴンズ



中日 80点

 不動のリードオフマンとして大きな存在感を発揮し続けている。背中の張りなどで2試合に欠場した以外、開幕から一番に座る。「攻守走、すべて目の前のプレーに全力を尽くすことだけを考えている」と大島が淡々と口にする。その言葉どおり、今季で36歳になるとは思えないほどの躍動感でチームをけん引。6月19日のヤクルト戦(神宮)では自己最多となる1試合4打点を記録し、ヤクルト戦の連敗を6で止めた(1分けを挟む)。打率.300はチームトップながら、その実力を考えればもっと上の数字でもおかしくはない。ここからさらに状態を上げ、3年連続最多安打のタイトルとともに初の首位打者を狙ってもらいたい。

広島東洋カープ



広島 70点

 開幕は田中広輔でスタートしたが、打撃の調子が上がらず、早くも4月7日には打撃好調の菊池涼介を置く形に変わった。以降、基本的には菊池涼が務めており、一番先発時の打率は.282、出塁率も.333と、まずまずの数字を残している。現状のレギュラーメンバーでは、これが勝つための最良の選択ということは間違いないだろう。ただもし、長期的なチーム構想を考えるのであれば、菊池涼の持ち味が最も生きるのはやはり二番。野間峻祥宇草孔基羽月隆太郎ら、塁に出れば盗塁もより多く仕掛けられる野手はいないわけではないだけに、そのあたりの選手が打力を伸ばして一番打者にふさわしい出塁率を残せるようになり、菊池涼を二番に戻せれば理想的だ。

横浜DeNAベイスターズ



DeNA 80点

 桑原将志が一番の座をガッチリとつかんでいる。2017年には不動のリードオフマンとして全試合出場、日本シリーズまで経験した男が、19年にレギュラー陥落。昨年は屈辱の34試合出場にとどまっていた。強い決意で臨んだ今季、キャンプは二軍スタートながら、ぐんぐんと調子を上げて、リードオフマン候補の神里和毅を実力で蹴落とし、3年ぶりに開幕スタメンに指名された。今季はここまで63試合で打率.293、5本塁打。欲を言えば盗塁数(現状5盗塁)を伸ばしたいところだが、巨人にFA移籍した梶谷隆幸を埋めるに十分な活躍だ。周囲も驚くV字回復、そして残りのシーズンへの期待を込めて80点とする。

写真=BBM
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