週刊ベースボールONLINE

HOT TOPIC

オコエ瑠偉、平沢大河らが1位指名されたが…パ・リーグ6球団「2015年ドラフト指名組」の出世頭は?

 

2015年のドラフトでは1位でオコエ瑠偉楽天平沢大河ロッテに指名されて入団した。この年の指名選手は今年で6年目を迎えるが、“出世頭”と言える選手は果たして誰か? パ・リーグ6球団の「2015年ドラフト指名組」の現状を見ていこう。
記録は7月2日現在

オリックス・バファローズ



「2015年ドラフト指名組」で青学コンビが今季の躍進の原動力だ。大学日本代表の四番を張った吉田正尚が1位で入団し、新人年は一番・DHで開幕スタメン。開幕から6試合連続安打を放ち、腰痛で離脱しながら2ケタ10本塁打と早々に台頭。2018年から全試合出場を続け、昨季は首位打者に輝くなど不動の軸となった。一方で“遅咲き”ながら今季、強烈なインパクトを残しているのが10位の杉本裕太郎だ。吉田正とは2学年先輩で、青学大でも三・四番を組んだ間柄。JR西日本を経て、奇しくも同じ年に同じ球団に指名され、今季、三・四番コンビを“再結成”し、2人で計33本塁打、102打点。“青学コンビ”の奮闘で、得点力不足と揶揄される中、一気に強力打線へと変貌を遂げた。

東北楽天ゴールデンイーグルス



「2015年ドラフト指名組」の出世頭はもちろん、3位の茂木栄五郎だ。1年目から遊撃の定位置をつかむと、勝負強い打撃で欠かせぬ存在となった。2020年からはキャプテンを務め、移籍組も多いチームを背中で引っ張っている。7位の村林一輝も高い守備力で一軍に定着。高卒6年目となる目標は守備固め、代走要員からの脱却だ。6位の足立祐一太田光に次ぐ第二捕手として存在感を示している。チーム最年長捕手として頼れる存在だ。対照的に伸び悩んでいるのがドライチのオコエ瑠偉。高い身体能力を生かし切れず、近年は故障に悩まされ続けている。このまま才能を埋もれさせるわけにはいかないはずだ。

福岡ソフトバンクホークス



 2015年のドラフトでは支配下6選手すべて高校生を指名。チームとして数年後を見据えた育成にシフトした形となったが、現在一軍でレギュラーを張る選手は出てきていない。それどころか、ドラフト2位・小澤怜史と4位・茶谷健太の2選手は戦力外(その後、他球団へ)、5位・黒瀬健太は育成契約となり3年目を迎えている。3球団競合の末入団した1位の高橋純平が19年に中継ぎで45試合に登板、6位の川瀬晃も昨季、故障離脱した今宮健太の代わりとしてチーム最多の62試合で遊撃を守るなど、単年で活躍するケースは見られるが、一軍定着の壁は高い。今季は6年目にして満を持して一軍デビューを果たした3位・谷川原健太が連日スタメンに名を連ねている。巡ってきたチャンスを生かすことができるか。

千葉ロッテマリーンズ


ロッテ・東條大樹


「2015年ドラフト指名組」で高卒ドライチ・平沢大河は期待されながらも一軍定着できずにいる。さらに即戦力の期待が大きかった2位の社会人右腕・関谷亮太も2019年限りで自由契約となり、3位の成田翔が救援で力を付けつつあるとはいえ、上位3人が主力になれず。そんな中で、4位の東條大樹が昨季39試合に登板して防御率2.54と台頭。救援陣の連投を回避できた一因ともなった。今季は安定感を欠いて、5試合登板にとどまるも、奮起が期待される存在に。唐川侑己が首痛で離脱しているだけに、右腕の復調でブルペンに厚みを与えたい。

埼玉西武ライオンズ



 2015年ドラフトで10人の選手が指名されたが、3位・野田昇吾ら半分の5選手がすでにユニフォームを脱いでいる。出世頭になりかけたのは1位の多和田真三郎だ。1年目から7勝を挙げると18年には16勝をマークして最多勝を獲得、10年ぶり優勝の立役者にもなった。しかし、その後、自律神経失調症を患い、今季から育成選手に。2位・川越誠司は野手転向2年目の昨季、48試合出場で2本塁打、6位・本田圭佑は19年に6勝を挙げたがブレークし切れていない。そんな中、今季チャンスをつかんだのは4位・愛斗、7位・呉念庭だ。ともに主力野手のケガによって一軍に昇格し、スタメンで試合に出続けている。今後、2人の“出世争い”が注目だ。

北海道日本ハムファイターズ



「2015年ドラフト指名組」で出世頭は、新日鐵住金かずさマジックからドラフト2位で入団した加藤貴之だろう。1年目からフル回転し、先発、中継ぎ、ショートスターターと何でもこなす万能技巧派左腕。今季は先発ローテーションを守り3勝をマーク、通算30勝を挙げている。1位の上原健太は希少な大型左腕として期待されるも、今季はケガのため一軍登板なし。3位の井口和朋はルーキーイヤーに中継ぎとして優勝に貢献。センバツ優勝投手の4位・平沼翔太は、内野レギュラーの座をつかもうと鍛錬の日々だ。姫野優也は今季から投手に転向し勝負する。16年は8人が指名されたが、6位・横尾俊建は今季途中で楽天へ移籍、5位・田中豊樹(現巨人)、7位・吉田侑樹は19、20年に戦力外通告を受けている。

写真=BBM
週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部

週刊ベースボール編集部が今注目の選手、出来事をお届け

関連情報

みんなのコメント

  • 新着順
  • いいね順

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング