オリックス追撃の武器だけでなく
巨人の
炭谷銀仁朗が
楽天に金銭移籍となった。
今季、巨人の捕手は、メーンは
大城卓三だが、いざというときの切り札というのか、炭谷の熟練のリードは、巨人にとって貴重だと思っていた。本人の強い希望もあったというが、トレード、しかも交換じゃなく金銭と聞いて正直、驚いた。
原辰徳監督からすれば、大城の成長に加え、
小林誠司に再び一軍で使っていける目途が立ったということなんだろう。若いキャッチャーも出てきているしね。
一方の楽天にとってはかなりのプラス要素だ。
今年も打線はすごいし、
田中将大が加わった投手陣は、先発陣にレジェンド級のエース格がそろっている。ただ、やはり若い捕手陣の経験値に物足りなさがあった。無難にはやっているんだが、彼らの格に圧倒されているというのかな。
炭谷の補強は投手陣の再建に加え、若い捕手の教科書としても大きな力になるだろう。
完全に失速状態だった楽天だが、
オリックス追撃への最後のピースがギリギリのタイミングで埋まった感もある。トレードはされた選手をそうだが、入ってきた側のチームも刺激を受け、活性化するしね。
石井一久監督兼GMは運が強い。いや、炭谷は
西武時代から石井監督を慕っていたようだから、これも人徳と言えるのかな。
巨人と楽天には以前から編成間のパイプがあり、昨年は途中で
ウィーラーと
高梨雄平を獲得し、大活躍している。今回は、そのお礼もかねた原監督の贈物、いや季節的にはお中元のようなものかな、とも思った。
2013年以来の楽天との日本シリーズとなれば盛り上がるだろうしね。
あと1つうがった見方をすれば、ジワジワ上がってきそうな天敵
ソフトバンクへのけん制だ。楽天にプレゼントの代わりに「しっかりホークスを眠らせておいてくれ」という考えもあるのかもしれない。
まあ、いろいろ考えている監督だからね。