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「スゴロクでやれたのが大きかった」NPB7球団視察の修徳・床枝魁斗が初戦で完封できた理由

 

スカウトは「投げっぷりが良い」


修徳高の146キロ右腕・床枝魁斗は雪谷高との東東京大会初戦(2回戦、7月13日、駒沢)で完封勝利(2対0)を挙げた


 修徳高で背番号1を着ける床枝魁斗(3年)は、この3年間で20キロ以上スピードが上がった。小学校時代に投手経験はあったが、中学時代は主に外野手。潜在的に体に力があるのと、ブルペンで投げさせた際に良いボールが投げられることを確認した荒井高志監督は「これは、面白い!」と投手に転向させた。

 最速146キロ。7月13日、雪谷高との東東京大会初戦(2回戦、駒沢球場)には、NPB7球団が視察した。「こんなところ(評価)まで来るとは……。すべては、本人の努力です。私は何もしていません(苦笑)。山本助監督(将太郎)が『床枝魁斗』をつくってきました」。この注目度の高さにも動じることなく、床枝は散発5安打完封(2対0)と「都立の雄」を力で封じている。

 プロのスピードガンで143キロをマークし、追い込んでから鋭く落ちるスライダーは、ウイニングショットとして精度が高かった。身長180センチの数字以上に、角度のある位置から投じられるボールが売りである。

 なぜ、快投を見せることができたのか。荒井監督は「スゴロクでやれたのが、大きかった」と明かした。つまり、走者を出し、二塁、三塁へと進塁を許しても、最終的に失点さえしなければいい。ゼロにはこだわる一方で、ケースによっては失点を覚悟することもある。いずれにしても、ビッグイニングつくらせない。高校野球の鉄則を熟知している。

 ネット裏で視察した楽天鷹野史寿スカウトは「投げっぷりが良いですね。大会を勝ち上がっていく中で、成長する可能性がある」と目を細めていた。図らずも、床枝も試合後、こうコメントを残している。

「まだまだ成長できる。一戦一戦を通じて、自分もチームも成長して、上を目指していいたい。勝てる投手となることが目標です」

 2013年以来、6回目の甲子園へ導くため、エースは腕を振りまくる。

文=岡本朋祐 写真=BBM
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