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東京2020オリンピック

【日本代表】坂本勇人、リーダーへの期待と自覚。指揮官は「チームを引っ張っていってほしい」と全幅の信頼

 

日本代表・坂本勇人


 2013、17年と2度のWBC出場、15、19年と同じく2度のプレミア12出場と、国際大会での豊富な経験、所属の巨人でも14年オフの26歳からキャプテンを務めていることを考慮しても、坂本勇人は日本代表のチームリーダーとしてふさわしい存在だ。

 稲葉篤紀監督は東京オリンピックに出場する日本代表にキャプテンを置かない方針だが、それでもたびたび「勇人にはリーダーとしてチームを引っ張っていってほしい」と、全幅の信頼を寄せる。

 田中将大(楽天)、大野雄大(中日)、柳田悠岐(ソフトバンク)と並び、代表では最年長。坂本も自身のキャリアを踏まえて「もちろん、チームを引っ張っていく思いがあります」としつつ、「偏って誰かが引っ張ることはしないということで、稲葉監督もキャプテンを選ばなかったと思います。グラウンドに出れば年齢は関係ありません。全員がそういう気持ちを持って、やってもらいたいです」と代表歴の浅い若手選手にも自覚を求める。

 近年は巨人でも「みんながキャプテンという気持ちを持ってプレーしてほしい」と、同様の発言をしているが、その意図はこうだ。

「自分の成績、プレーにこだわり、しっかりと結果を出すのがプロです。個々の結果はチームにとってもプラスになります。とはいえ、自分のプレーだけにとどまってしまうのも、チームスポーツである野球ではどうなのか、というのが僕の考えで、先輩たちから教わってきたこと。選手一人ひとりが考えを巡らし、自覚を持ってチームのためにプレーする。それがチームにとって、本当の意味での強さにつながっていくと思います」

7月21日の日本代表強化合宿3日目、「体のキレを出すため」と全メニュー消化後にロングティーを行う坂本勇人


 13年以降の侍ジャパンの常設化と定期的な活動もあって、チームは「若い選手も多いですし、気を使い合う感じもあまりなく、すごくいい雰囲気」と坂本。グラウンド上でも積極的に若い選手たちに声を掛ける姿も目立ち、「短い期間でコミュニケーションを取らないといけないので、こちらからどんどん声を掛けていければ」と頼もしい。「負けられない。勝つ。それだけです」と覚悟を見せる本戦に向け、短い期間でのチーム作りに一役買う。

文=坂本匠 写真=榎本郁也
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