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村上宗隆、中村奨成らが1位指名されたが…セ・リーグ6球団「2017年ドラフト指名組」の出世頭は?

 

2017年秋のドラフトでは1位で競合の末、村上宗隆ヤクルト中村奨成広島がクジを引き当てて入団した。この年の指名選手は今年で4年目を迎えるが、“出世頭”と言える選手は果たして誰か? セ・リーグ6球団の「2017年ドラフト指名組」の現状を見ていこう。
記録は前半戦終了時

読売ジャイアンツ



 支配下8人、育成8人が指名された2017年のドラフトは、7位・村上海斗(2020年限りで退団)を除く支配下入団7選手(5位・田中俊太DeNAに移籍)が一軍での出場経験を持ち、4位・北村拓己、6位・若林晃弘らは現在、セカンドのレギュラー争いに参戦中だ。その中でも出世頭と言えば、3位入団で正捕手に最も近い男・大城卓三だろう。1年目から一軍で出場機会を得て、原辰徳監督が復帰した19年は小林誠司炭谷銀仁朗(現楽天)らと3捕手併用制で優勝に貢献。小林が故障で長期離脱の昨季はメーンで先発マスクをかぶり、チームは連覇を果たした。自身はセ・リーグのベストナイン捕手にも輝いている。支配下入団唯一の高卒選手だった湯浅大、2位入団の捕手・岸田行倫も一軍でのキャリアを積み始めており、今後も「2017年ドラフト指名組」から目が離せない。

阪神タイガース



 1年目の途中から先発ローテーションに入り、左腕エース候補と言われた2位・高橋遥人が、「2017年ドラフト指名組」をリードしていた。しかし、ケガが多くなかなか一軍に定着できない状況の中で、過去2年間で一軍登板が計4試合に終わっていた1位・馬場皐輔が昨季、リリーフとして飛躍。32試合に投げ、2勝1敗9ホールド、防御率2.08の好成績を収め一軍に定着した。馬場は今季も中継ぎとして23試合登板、3勝7ホールド、防御率3.65。勝ちパターンで試されている最中で、後半戦に重要な役割で定着を目指す。そのほか3位・熊谷敬宥は守備固め&走塁のスペシャリストとして一軍に欠かせない存在に。4位・島田海吏はウエスタンの打率首位(.337=7月22日現在)で、後半戦一軍定着を目指している。

東京ヤクルトスワローズ


ヤクルト・村上宗隆


 疑いの余地なく、九州学院高からドラフト1位指名を受けた村上宗隆が出世頭だ。もはや説明不要の活躍を見せている。ヤクルト不動の四番打者は東京五輪の日本代表にも選ばれているのだから、チームだけでなくこの年のドラフトで最も出世したと言っていいだろう。次点では4位の塩見泰隆が中堅のレギュラーをほぼ手中に収めている。代打打率.429と勝負強さを見せる6位・宮本丈もチームに欠かせない存在へと成長した。5位・金久保優斗は手術を経たため時間はかかったが、先発投手として独り立ちしてきた。奮起を促したいのは、2位・大下佑馬と3位・蔵本治孝の上位指名を受けた投手たち。7位の捕手・松本直樹も含め、今季が勝負どころだろう。

中日ドラゴンズ



 2017年のドラフト1位は投手の鈴木博志。ヤマハでの社会人時代に最速157キロを記録した剛腕は、1年目から中継ぎとして53試合に登板とフル回転。そして2年目の19年には、新しく指揮官となった与田剛監督から抑えに指名された。14セーブを挙げる幸先のよいスタートを切ったが、その後は制球を乱し、現在はオーバースローからサイドスローへ転身している。3位の高松渡は今季ついにブレーク。初の開幕一軍入りを手にし、得意の足でチームになくてはならない存在に駆け上がった。前半戦の12盗塁はチームトップの数字。6位の山本拓実は公立の市西宮高からプロへ入り、ここまで通算28試合に登板して5勝をマーク。今季は中継ぎでの登板が主だが、167センチと小柄ながら力強いストレートを投げ込んでいる。

横浜DeNAベイスターズ


DeNA・東克樹


 大豊作のドラフトだったと言っていいだろう。2位で指名した俊足の外野手・神里和毅以外にも、下位指名ながら7位・宮本秀明、8位・楠本泰史の2人は、今季そろって一軍戦力となっている。9位・山本祐大もスタメンマスクを任されるなど成長著しい。投手では今季初勝利を挙げた3位・阪口皓亮や、5位・櫻井周斗といった伸び盛りの若手が入団している。その中でも出世頭は1年目に2ケタ勝利を挙げ、新人王にも輝いた東克樹。現在はトミー・ジョン手術からの復活を目指しており、今季中の一軍登板を視野に入れている。

広島東洋カープ


広島・中村奨成


 2017年のドラフトで中日と1位競合の末に引き当てた中村奨成は、3年目まで一軍でのヒットがなかったが、今季は4月16日の中日戦(バンテリン)で初安打を放つと、6月19日のDeNA戦(東京ドーム)で初本塁打するなど2本塁打。今季の活躍で言えば、この年の入団組で一番だ。これまで4年間の通算実績なら、昨季、先発ローテーションを守って5勝(通算6勝)を挙げた5位の遠藤淳志がトップ。そのほか、2位の山口翔が2019年にプロ初先発で1勝、3位のケムナ誠が昨季11ホールドを挙げた。4位の永井敦士はまだ一軍経験なし、6位の平岡敬人は昨年限り引退。育成では3選手が指名され、2位の藤井黎來が支配下登録を勝ち取っている。

写真=BBM
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