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清宮幸太郎が7球団から1位指名されたが…パ・リーグ6球団「2017年ドラフト指名組」の出世頭は?

 

2017年秋のドラフトでは清宮幸太郎が1位で7球団競合の末、日本ハムがクジを引き当て入団した。この年の指名選手は今年で4年目を迎えるが、“出世頭”と言える選手は果たして誰か? パ・リーグ6球団の「2017年ドラフト指名組」の現状を見ていこう。
記録は前半戦終了時

北海道日本ハムファイターズ


日本ハム・清宮幸太郎


「2017年ドラフト指名組」の出世頭を挙げるのは難しい。7球団競合の末、交渉権を獲得した清宮幸太郎は高校通算本塁打歴代1位の超高校級スラッガーとして大きな期待を背負って入団したが、ケガにも苦しみ3年間の本塁打数は21。勝負をかけて臨んだ4年目の今季は一軍出場すらない。もう一人の野手、4位・難波侑平は一軍出場ゼロ。その他5人は全員投手だが、2位・西村天裕、3位・田中瑛斗、5位・北浦竜次と殻を破り切れていない状況だ。今季中継ぎで18試合に登板する西村は勝利の方程式に食い込みたいところ。6位・鈴木遼太郎は育成再契約、7位・宮台康平は20年オフにヤクルトへ移籍した。一軍に定着し戦力として活躍する選手がいない受難の「2017年ドラフト指名組」である。

オリックス・バファローズ



 2017年ドラフトの上位指名3人は、いずれ社会人とあって“即戦力”の期待どおり主力に育っている。中でも今季の首位躍進の原動力になっているのが3位の福田周平だ。2016年のドラフトでは指名漏れを経験し、25歳でNTT東日本から入団した男は俊足巧打が武器。本職は二塁ながら、出場機会を求めて今春キャンプから外野に挑戦すると、5月から一番・中堅に定着した同時にチームが浮上した。ファウルで粘りつつ、勝負強さも光るリードオフマンが固定できたことで、得点能力がアップした形だ。1位の田嶋大樹も先発ローテーションを守り、2位のK-鈴木も救援登板で150キロ台後半を計測するなど、ブルペンの一角に。4年前に撒いた種は、しっかりと芽を出している。

千葉ロッテマリーンズ



 もとは投手の強肩を生かした遊撃守備を見せる藤岡裕大と、巧打が武器の菅野剛士ら、2017年のドラフトは指名6人のうち、5人が社会人。即戦力が中心の指名とあって、前述の2選手は新人年から開幕スタメンで出場機会を得てきた。“出世”となれば、唯一の高卒で、1位指名の安田尚憲となるだろう。昨季途中から四番に抜てきされ、今季も開幕四番でスタート。打率、本塁打が伸び悩み、打順降格、一時はスタメン落ちも、前半戦最終盤は快音も聞こえるようになった。今季4年目とはいえ、まだ22歳。大学に進学していれば4年生で、今秋のドラフト候補たちと同年代だ。まだまだ発展途上の背番号5には、チームの未来も託される。

東北楽天ゴールデンイーグルス



 支配下として指名された「2017年ドラフト指名組」7人のうち、現在も球団に残っているのは4人のみだ。ドラフト1位の近藤弘樹は3年目のオフに戦力外通告を受け、現在はヤクルトに所属している。3位の山崎剛は今季に入り内外野でスタメンの機会を得ているものの、レギュラー定着には至っていない。4位の渡邊佑樹、7位の寺岡寛治は一時育成降格を経験した苦労人。ブルペンの一角をつかみたいところだ。右のスラッガーとして期待される2位の岩見雅紀だが、ここまでは本領発揮ならず。まずは二軍戦でアピールし、再昇格を目指している。

福岡ソフトバンクホークス



 昨季限りでドラフト1位・吉住晴斗が戦力外になるという衝撃もあった「2017年ドラフト指名組」(吉住は育成再契約)。実績で見れば出世頭と言えるのは、2位・高橋礼だ。2年目の2019年に先発ローテーションの一角として12勝を挙げ、新人王を獲得。翌年は中継ぎに回り、リーグ3位タイの52試合に登板した。ただ、再び先発として1年間ローテ入りを誓った今季は、開幕ローテ入りこそ果たすも、制球を乱して自滅する場面が目立ち、4月27日に出場選手登録を抹消。前半戦終了までファーム調整を余儀なくされた。後半戦に向けて、現在はフォーム安定に取り組む毎日。「投げられればどこでもいい。とにかく一軍のマウンドに立つことが一番の目標」。ポジションもこだわらず、必死に浮上のきっかけをつかみにいく。

埼玉西武ライオンズ



 2017年のドラフトでは支配下で6人が指名され、すべての選手が一軍を経験しているが最大の出世頭は4位・平良海馬だ。3年目の昨季、中継ぎとして54試合に登板し、1勝0敗1セーブ33ホールド、防御率1.87と好成績を残して新人王を獲得。今季も開幕から39試合連続無失点の日本記録を樹立し、東京オリンピックの日本代表に選出されるなど、球界を代表するリリーバーへと上り詰めた。投手ではほかに1位・齊藤大将、3位・伊藤翔、5位・與座海人がいるが一軍定着には至らず。野手でも2位・西川愛也、6位・綱島龍生は殻を破れず二軍暮らしのほうが多い。育成で指名された高木渉(1位)、齊藤誠人(2位)もすでに支配下昇格を果たしているが、まだ一軍戦力にはなり切れていない。

写真=BBM
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