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2021夏の甲子園

3日目の中止で3回戦終了翌日の休養日が消滅――「球数制限」への影響は?【2021夏の甲子園】

 

夏は「1週間500球以内」が初の運用


夏の甲子園は8月13日に予定されていた第3日が前日12日に続いて中止。2日続けての順延は、第96回(2014年)で台風接近による影響で、開幕日が2日順延になって以来だ


 夏の甲子園大会の規則である「第103回全国高等学校野球選手権大会全国大会試合規定」の17番目の項目には、こう記載されている。

「選手の健康管理を考慮し、3回戦2日目、準々決勝、準決勝の各翌日は休養日とする。ただし、雨天等で3日以上順延となった場合は休養日を順次、取り消す。取り消しの順序や日程変更については主催者と阪神甲子園球場が協議する」

 当初、開会式が予定されていた8月9日、第3日(同12日)は第1試合(明桜−帯広農)の4回終了でノーゲームにより、2日目の中止。そして13日は第1試合のプレーボール2時間前、朝6時に中止決定が大会本部から発表された。

 2日続けての順延は、第96回大会(2014年)で台風接近による影響で開幕日が2日順延になって以来。これで大会試合規定の「雨天等で3日以上順延」に該当し、3回戦2日目翌日の「休養日A」が消滅することになった。

 3回戦以降の日程を整理してみる。

【1】8月21日 3回戦4試合
【2】8月22日 3回戦4試合
   ※休養日A消滅
【3】8月23日 準々決勝4試合
【4】8月24日 休養日B
【5】8月25日 準決勝2試合
【6】8月26日 休養日C
【7】8月27日 決勝

「休養日A」が消滅したことにより、大きな変化が生じることになった。

「1週間500球以内」の球数制限である。全国大会では今春のセンバツから初適用され、夏の選手権は今大会が初の運用となる。

 従来【1】に組まれた8チームは3回戦2日目翌日の「休養日A」があれば、3回戦から決勝まで8日間。つまり、3回戦の球数は対象外となるはずだった。一方、【2】の8チームは「休養日A」があれば決勝まで7日間、今回の消滅を受けて決勝まで6日間。「休養日A」の有無をかかわらず、「球数制限」と向き合わなくてはならなかった。

 日程上の事情で【1】と【2】に格差が生じていた。しかし、この日の「休養日A」の消滅により、「球数制限」おいては全8校が同条件。試合日程による不公平感はなくなった。

不公平感はなくなったが……


 昨今、複数投手制が叫ばれており、各校とも主戦級の投手を2人以上準備してくる傾向にある。だが、チーム事情により、ほぼ1人に頼らないといけない学校もあるのが実情だ。組み合わせ上、早めに3回戦を消化する予定だった【1】の8校にとっては、3回戦からの計算になれば、影響が出る可能性はある。

 今大会から新たに「休養日A」が設けられ、2日連戦が回避されるはずだったが、13日の中止により、適用されることはなくなった。天候には勝てないとはいえ、選手にとっては気の毒でならない。明日(14日)以降も天気予報は良いとは言えず、仮に中止となった場合、今後の「休養日B」と「休養日C」がどのような扱いとなっていくのか、注目されるところである。

文=岡本朋祐 写真=高原由佳
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