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佐藤輝明、栗林良吏、平内龍太…セ・リーグ6球団「ドラフト1位」の現在地は?

 

8月13日から後半戦がスタートしたペナントレース。終盤戦に向けて熱戦が続いていくが、果たして今季ドラフト1位で入団した逸材はここまでどのようなシーズンを過ごしているのか。セ・リーグ6球団のドラフト1位ルーキーの現在地とは?
記録は8月13日現在

読売ジャイアンツ



 即戦力の期待には応えられていない。亜大から1位で入団した平内龍太は一軍の壁に直面している。先発としてスタートも、開幕ローテーションに入れず、その後はリリーフへ。4月20日の阪神戦(東京ドーム)でデビューを飾るも、一軍では3試合で8失点、防御率14.40と厳しい結果に。二軍では抑えを任されて25試合で4勝6セーブ、防御率3.05だが、7月25日の侍ジャパンとの練習試合で一死しか取れずに4安打3失点と絶好のアピールの機会をいかせなかった。最速156キロだが、この日は最速で146キロ。球威で圧倒する、周囲から理想とされる姿とは異なっており、今後もファームで試行錯誤が続く。

阪神タイガース


阪神・佐藤輝明


 入団時から多くの期待を掛けられていた存在が佐藤輝明だ。そして開幕から、その期待以上のインパクトをファンに与えている、まさに黄金ルーキーだ。強打者として4球団競合の末、ドラフト1位で阪神に入団すると開幕のヤクルト戦に「六番・右翼」で出場。2戦目には神宮球場のバックスクリーン上段へ豪快な一発を放った。また、横浜スタジアムでは場外弾を放つなど、その打球の飛距離と破壊力は新人離れしている。前半戦終了時点で20本塁打&52打点はチーム最多と、首位を走るチームをけん引している。ただ、三振も多く新人最多タイの121個も喫している。このあたりを修正できれば後半戦、本塁打も必然的に増えていくはずだ。

東京ヤクルトスワローズ


ヤクルト・木澤尚文


 いまだ一軍登板はない木澤尚文は、ファームで腕を磨く日々を送っている。同じ東京六大学リーグでしのぎを削り合った早川隆久(楽天)らが続々と一軍デビューを飾る中で悔しい思いをしてきたはずだが、東京五輪によるリーグ戦中断期間のエキシビションマッチでは、7月30日のソフトバンク戦(PayPayドーム)、8月5日の楽天戦(楽天生命パーク)では、登板機会を得た。つかの間の“一軍”では、150キロを超える直球を軸に、高い奪三振力を誇った。まだ変化球の精度や制球には課題を残すが、威力抜群のボールが一軍クラスの打者にも通用することは証明できたはず。後半戦のデビュー、活躍に期待がかかる。

中日ドラゴンズ



 高橋宏斗はまだ一軍登板がない。ドラフト1位とは言え、高卒ルーキー。1年目はじっくりと二軍で体を鍛えるのが育成方針。その二軍では9試合に登板して0勝3敗、防御率6.39を記録しているが、自己最高の155キロをマークするなど着実にレベルアップしている。6月10日のウエスタン・ソフトバンク戦(タマスタ筑後)は3回途中8失点。しかしこれは仁村徹二軍監督からの「真っすぐでいけ」という指令があったからだ。指揮官からの「簡単に変化球に逃げるな」というメッセージ。打たれて学ぶ典型的な登板だった。そこからは右ヒジの張りで2カ月ほどノースロー調整となったが、仁村監督の「ここまで順調に来ている」という言葉がすべてだろう。8月9日の誕生日で19歳になったばかり。焦る必要はどこにもない。

広島東洋カープ



 開幕からクローザーに指名され、前半戦終了時点で34試合に投げて0勝1敗18セーブ、防御率0.53は、期待に違わぬ、いや、期待以上の成績だと言っていいだろう。栗林良吏は開幕から無失点投球を続け、新人の開幕からの連続記録を更新する22試合連続無失点。防御率が示すとおり安定感は抜群で、救援失敗はわずかに1度だけだ。後半戦も疲れを見せずに投げ切れれば、新人王の有力候補の一人。前半戦は阪神・佐藤輝明にインパクト度合で押されていた感もあったが、新人王選考とは別ものとはいえ、東京五輪で日本代表のクローザーを務め、胴上げ投手となったことは印象度、存在感を大きくアップさせたはず。果たしてカープから2年連続の新人王はなるか?

横浜DeNAベイスターズ



 今永昇太濱口遥大東克樹上茶谷大河ら過去にルーキーイヤーから活躍してきたベイスターズの大卒ドラ1投手の系譜を継ぐ者として、明大から入団した入江大生に寄せられる期待は大きかった。しかし、最速153キロ右腕には、厳しい現実が突きつけられた。開幕一軍入りするも、初先発から4戦4敗と結果が残せずに登録抹消。5月には調整中のファームで右ヒジ痛を訴え、リハビリ組に合流した。7月にはファームで実戦登板に復帰しているが、本調子とはほど遠い状態。まずは右ヒジを完治させることが最優先になるだろう。

写真=BBM
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