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2021夏の甲子園

46年ぶりの3日連続順延。「1週間500球以内」の球数制限に影響が出る学校は?【2021夏の甲子園】

 

準決勝翌日の休養日も消滅


夏の甲子園は8月14日に予定されていた第3日が12、13日に続いて中止。3日続けての順延は、第57回大会[1975年]以来である


 夏の甲子園は46年ぶりの3日連続順延だ。

 大会本部は8月14日、午前6時に天候不良のため、順延を発表した。第3日は12日に第1試合(明桜−帯広農)がプレーボールされたが、雨天により、4回終了でノーゲーム。13日は午前6時に中止が発表され、この日も予定された4試合を消化できなかった。

 3日続けての順延は1975年(第57回大会)以来。今大会は開幕日(8月9日)が順延となっており、計4日順延だが、こちらも1975年(計5日順延)以来である。

 従来は3回戦2日目、準々決勝、準決勝の各翌日が休養日に設定されていた。大会規定には「雨天等で3日以上順延となった場合は休養日を順次、取り消す。取り消しの順序や日程変更については主催者と阪神甲子園球場が協議する」とある。13日の時点で「3日以上」となり、3回戦2日目翌日の「休養日A」が消滅。そして、14日の順延により、準決勝翌日に予定していた「休養日C」も消滅することになった。つまり、準々決勝翌日の「休養日B」のみが残った。決勝は27日のままだ。

 あらためて、大会終盤の日程を整理する。

【1】第9日・8月21日 2回戦3試合
【2】第10日・8月22日 3回戦4試合
【3】第11日・8月23日 3回戦4試合
   ※休養日A消滅
【4】第12日・8月24日 準々決勝4試合
【5】8月25日 休養日B
【6】第13日8月26日  準決勝2試合
   ※休養日C消滅
【7】第14日・8月27日 決勝

「休養日C」が消滅したことにより「1週間500球以内」の球数制限で、影響が出る学校が出てきた。

 最も厳しい条件となるのが【1】に組まれた第9日の該当校である。2回戦から中1日で3回戦、翌日に準々決勝、中1日で準決勝、そして翌日に決勝が組まれる。2回戦以降は計7日間で5試合という、超過密日程となる。

第9日の該当校は?


 あらためて、第9日の該当校を掲載する(第4日、第5日は1回戦)。

▼第1試合
第4日(1)長崎商と熊本工の勝者−第4日(2)専大松戸と明豊の勝者
▼第2試合
第4日(3)阿南光と沖縄尚学の勝者−第4日(4)鹿島学園と盛岡大付の勝者
▼第3試合
第5日(1)大阪桐蔭と東海大菅生の勝者−第5日(2)近江と日大東北の勝者
【注】( )数字は試合順

 上記12校が勝ち上がった際には「500」の壁と向き合う可能性がある。組み合わせ抽選の時点で第5日に1回戦を戦う4校は第9日に2回戦、第11日に3回戦で、この段階で「1週間」の区切りを迎えることは決まっていた。計3試合で500球以内とは考えづらい。だが、本来は3回戦から決勝が球数制限の対象であったのが、この日の順延により、2回戦から決勝までとなったため、各監督は投手陣のやりくりについて相当、頭を悩ませる形なる。

 とはいえ、負ければ終わりのトーナメント。あらかじめ球数を計算してエースを温存し、まさかの展開があってしまえば、元も子もない。現実的には複数投手を準備し、選手層が充実したチームが有利に働くことが予想される。

文=岡本朋祐 写真=高原由佳
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