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【終盤戦クローザー採点】ロッテ90点、オリックス80点、ソフトバンク20点…パ・リーグ6球団「守護神」の評価は?

 

チームに勝利を呼ぶクローザー。試合を締める存在がしっかりと確立されていなければ上位進出も望めない。シーズンも終盤戦に入るがパ・リーグ6球団の「守護神」の評価はいかに? 100点満点で採点した。
記録は9月6日現在

千葉ロッテマリーンズ



ロッテ 90点

 今季初登板から2試合連続でサヨナラ負けを喫するなど、不安定なスタートとなった益田直也だが、井口資仁監督の信頼は揺るがず。抑えとして起用を続けると、期待に応えるように徐々に復調。二段モーション&サイドハンドと、変則フォームから150キロのストレートを投じ、決め球・シンカーも低めに制球され、前半戦だけ22セーブをマーク。後半戦に入っても11試合で、わずか1失点で8つのセーブを挙げている。また、今季は9回打ち切りとあって「引分」も14を記録。リーグ順位は勝率で決まるだけに、リーグトップの30セーブに値する「14」の引分の数字からもチームへの貢献度が表れる。

オリックス・バファローズ



オリックス 80点

 開幕時はセットアッパーも、抑え抜てきの漆原大晟が安定せず、37歳のベテラン・平野佳寿がクローザーに。4月に頸部痛で離脱したが、交流戦復帰して以降は4年ぶりにメジャーから復帰した背番号16が9回のマウンドに上がっている。抑え以外の起用や離脱期間もあったため、セーブ数は17にとどまるも、登板29試合で防御率は2.77。首位を争うロッテには5試合に登板して無失点だ。9月6日現在で、7試合連続無失点投球と、2018年メジャーで26試合連続無失点、日本人最多の75試合登板を果たした男が健在ぶりを示しつつ、今季はカーブを投じるなど投球の幅を広げている。14年のV逸を知る守護神。悲願成就へ最後まで腕を振り続ける。

東北楽天ゴールデンイーグルス



楽天 65点

 絶対的存在の離脱により、暗雲が漂ってきた。開幕から松井裕樹がフル回転を見せ、43試合に登板して24セーブ、防御率0.63と好成績を残していた。だが、練習中に右太ももを痛めて8月26日の登録を抹消されてしまう。石井一久GM兼任監督は「1カ月近くかかると思う」と肩を落とした。小山伸一郎コーチは「経験もあるし、メンタルの強さは育成時代から見てきている」と、代役クローザーに宋家豪を指名。しかし9月3日の西武戦(楽天生命パーク)で同点の9回にマウンドに上がると、痛恨の勝ち越し打を浴びて敗戦投手に。この配置転換で中継ぎが手薄になることも確かだが、この苦境を全員でカバーしていくしかない。

福岡ソフトバンクホークス



ソフトバンク 20点

 抑えというポジションの重要性を痛感させられた。ソフトバンクにとって9回の森唯斗は不動の存在で、ルーキーイヤーから7年連続50試合以上、2018年から3年連続30セーブ超えのタフネスぶり。そう簡単に離脱することはないと思っていたのだが……。4月に発覚した左ヒジ痛はなかなか良くならず、結局5月28日に手術に踏み切る。そこから長いリハビリ生活。その間、チームはL.モイネロ岩嵜翔に代役クローザーを託したが、盤石とまでは言えなかった。しかも、後半戦を前にモイネロが左手首の違和感で離脱。岩嵜も右ヒジのコンディション不良により8月29日に出場選手登録を抹消された。現在は、板東湧梧が9回に送られることが多いものの、やはり僅差の場面では不安定さを露呈してしまう。となれば、8月21日に実戦復帰した森に戻ってきてもらうしかないだろう。いまだ球速140キロ台、雨による登板延期などで思うように状態は仕上がっているとは言えないが、任されたからには「ゼロに抑える」。それが“鉄腕唯斗”だ。

埼玉西武ライオンズ


西武・平良海馬


西武 60点

 昨季、無敗のセーブ王に輝いた増田達至が不振に陥り、5月上旬に二軍調整へ。その後はギャレットがクローザーの座に就いたが結果を残せず。やむなくセットアッパーの平良海馬が5月下旬から試合を締める役割を担うことになった。当時、開幕から連続試合無失点の記録を続けていた平良。クローザーになっても相手に得点を許さず、日本記録を更新して39試合にまで記録を伸ばした。8月20日のオリックス戦(京セラドーム)で初めて敗戦投手となったが、ここまでクローザーとしては24試合の登板で防御率1.14。だが、引き分けの試合も多く、セーブ数は12に終わっている。チーム全体を見れば60点の採点だが、平良の働きだけを考えれば100点満点に近い数字をあげても差し支えない。

北海道日本ハムファイターズ



日本ハム 30点

 開幕からクローザーを任されてきた杉浦稔大は17セーブでリーグ3位タイの成績だが、安定感には欠ける。後半戦は6試合に登板し2度の救援失敗(2試合は中継ぎ登板)。8月20日の楽天戦(札幌ドーム)では8回に野村佑希の勝ち越し弾で1点リードするも9回引き分けに持ち込まれた。24日のロッテ戦(札幌ドーム)も、0対3で迎えた9回に3失点。31日には登録を抹消された。杉浦の代役を務めるB.ロドリゲスはセットアッパーとして抜群の安定感を誇り抑えもこなしていたが、9月2日のオリックス戦(札幌ドーム)では9回に4失点、同点とされた。打線が上昇気配を見せる現在、9回を抑え切れる絶対的守護神不在が大きな課題となっている。

写真=BBM
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